●ゴミを出した犯人を突き止めたら
ある日、町内会の班長会議があった。
「班長」は順番にまわってくる。その年は、私が班長の順番だった。
それゆえ、班長6人が集まる班長会議に出席した。
会議の途中でゴミの話が話題になった。
田舎暮らしに興味がある人は知っておいた方が良い内容なので、
この話題を具体的に紹介したい。
嫌でも順にまわってくる町内会の班長になった。
そして班長会議に参加した。
班長会議は、1年間の行事や各班長の役割を決める会合だった。
町内会の役員と班長は6人だから、10人程度の小さな会合だった。
途中、ゴミの管理について話題になった。
ゴミ置き場は町内会が管理することになっている。
燃えるゴミ、プラスチックゴミ、金物・缶ごみ、ペットボトルのゴミなどゴミを出す日は、市が配布するゴミカレンダーで決まっている。
話題になったのは、ゴミの分別を全くしていないゴミ袋があり、そのゴミが散乱していること。
「ゴミの管理は町内会」と市役所が勝手に決めてしまっているので、分別されていないゴミがあると、市は収集しないでゴミを放置して帰る。
カラスなど動物がゴミ袋を破いて、ゴミが散乱していても、市役所のゴミ収集車は、放置したまま行ってしまう。
その始末は、住民が行うことになる。
ゴミが分別されていないと、住民がゴミを全て出して、分別して、ゴミの日に出し直すことになる。
その「住民」とは、週に一度、住民による公園掃除の順番が決まっていて、こみ置き場もその掃除に含まれるのだ。だから、住民はゴミの出し方にうるさくなる。
「そんなに騒がなくてもいいじゃない」と思うが、腐敗が進むゴミ袋の中身を出して分別するのは嫌なものだ。
班長会議のゴミ会議で班長の一人が話し始めた。
「ゴミを分別しないヤツがいるだろう。誰が捨てているのか突き止めてやろうと思ってね」
彼は、手がかりを得るためにゴミ家に自宅に持ち帰ったという。
そして「破ってある書類を再現するために、何日もかけて貼り合わせた」と言うのだ。
ちょっと、待って。
ゴミの中身を調べたの?
それは、よくないよ、と私が問題提起したが、彼はこちらを見て、その意見を無視。話しを続けた。
「それでな、犯人がわかったよ。あそこに県の施設があるだろ。そこの職員が、仕事帰りに車でここまで持ってきて捨てていたんだよ」
彼は「県の事務所に行って、文句を言ってやった」そうだ。
●ゴミ行政、主権は市の職員にあり?
彼は分別していないゴミを調べることで、犯人を突き止めたわけだが、私は、それを聞いていて怖くなった。
住民によって出されたゴミの中身を調べることに抵抗がなく、その是非に耳を貸さない者。
ゴミが散乱していた原因は、カラスや野良猫、タヌキなどの野生動物の可能性が高い。
もし、それが原因で自分のゴミに何が入っていたかを調べられるのであれば、やはり嫌だ。手紙、病気、経済状況、など、全て他人に知られることになる。
最近では「ゴミ袋に名前を書け」と回覧版がまわってきたことがある。数人は実施していたそうだが、さすがに、これは受け入れられていない。
市の職員とその班長は、プライバシーの侵害、基本的人権の侵害、など、状況や立場によって見解が分かれることに問題意識がないから、なおのこと始末が悪い。
そもそも市役所は、ゴミ収集のかなりの部分を民間に外注している。
そして、ゴミの管理を住民にさせて、住民を市の職員が管理している。
これは民主主義国家では行ってはいけないことだ。
市職員は、ゴミ行政について決定権の頂点に登っていて、今日も住民を見下している。
田舎では、こうした行政の高度で幼稚な間違いが放置され、市民から主権が奪われている、そんな状況を解決する必要がある。
●都会のマンションでは、24時間、いつでもゴミ出し可能。
いや、高級マンションではなくても、ゴミ出し、いつでもどうぞ、って物件は多くある。ずいぶん前に住んでいた都内の古いマンションは、今でも24時間ゴミ出し可能だ。
私は、ゴミは個人情報がわからないよう細かくハサミで切っている。シュレッダーより丁寧にね。最初は面倒だったが、いまは慣れた。