私は持ち歩く 派!
以前来日されたのはなんと16歳!
2006年9月に開催された第5回若いピアニストのためのショパン国際コンクールで優勝
(現在のデミトリーさんのプロフィールはこちらです )
さて、今回はピアノネタではなくてハンカチネタです
最近は感染予防のために、どの公共施設にも入口に消毒剤が設置されていますね
丁寧なところですと、もみこみ式の消毒剤なのにペーパータオルも置いてあるところがあります
(東北震災後はあまりみかけなくなりましたが・・・)
会場入りして、手を消毒したあとにそのままピアノの鍵盤に触れるわけにはいきません
アルコール系の液体をピアノにつけるのはご法度でございます
ですので、水道へ・・・まぁトイレの手を洗うところでですね
一度手を洗います
(公共施設の面白いところは、トイレの液体せっけんがたいて空っぽなところですね
ですので入口で消毒はしておく必要があります はい)
そして、エアータオルを使おうと思ったら・・・
なんと手を入れる部分に
『節電のため使用できません』
(お~~~そうきたか!うんうん!そうですとも・・・でもいつもだったら・・・ね・・・しょぼ~~ん)
そしてバッグをごそごそしますと、ほ~らねちゃんと出てきますハンカチ
でも・・・使ってはいないのですがこのバッグに入れたのは・・・いつ?
何を隠そうこのハンカチは鍵盤を拭くとき用のハンカチです
手がびしゃびしゃのままでトイレ入口のドアを触るのは後の方が不愉快に感じられると思い
そのハンカチで手をふきました(ぱふぱふ・・・)
さて、仕事が澄んだ頃にデミトリーさんと今回彼を招聘された関係者の方が見えました
長身のドミトリーさんは挨拶もそこそこに、ささっと椅子に座ってタッチを確かめるようにピアノをに触れました
その横で一通りのあいさつが終わって、
鍵盤を拭こうかとハンカチを出そうとして・・・はたと手がとまりました
(あ~~~さっき、濡れた手を拭いちゃった・・・)
スタッフルームで何か借りてこようと楽屋の方に向かうと
ポロポロポロロ~~(すみません稚拙な表現で)
軽やかなタッチで演奏が始まりました
あらら~~あの鍵盤、調律前にもなんとなく湿気でべたついて(昨晩から舞台に出してあったので)
気になっていたのに・・・
と大変申し訳なく思いました
ふともうひとつのバッグを見ると、 普通の木綿のハンカチが(これは新品)
(よし、この曲の合間にこれで拭かせてもらおう・・・)
と思いつつロシア語とドイツ語オンリーの彼にどうやって伝えましょう・・・?
ロシアではハンカチをプレゼントすることは《涙を拭くものを送る》という意味がありタブーだそうです
(新品だからってまさかこのタイミングで誤解は受けないよね・・・)
舞台袖で色々悩んだ末、結局リハーサルの休憩タイムでデミトリーさんが
ピアノから離れたタイミングで拭きに行きました^^
デミトリーさんに
「ピアノのメンテナンスや音に何かご希望はありますか?」
と英語で伺ったのですが
「?」
・・・で、おつきのロシア男性の袖をぐいぐいするデミトリーさん
そのなんというか、まだ少年ぽさも感じられるしぐさに
うちの19歳の長男とちょっぴりかぶってしまいました
おつきのロシア男性は流ちょうな日本語で
「大丈夫です。とても良いと言っています。ご協力ありがとうございます。」
と腰を深く下げて日本的な物腰に驚きもものき・・・ではなくて、ええと驚き半分感動半分でした
肝心の演奏は、日本でも20年以上前に大ブームが起きたブーニン氏の演奏を思い起こさせるような
超絶技巧で、その曲をそんなにさらっと弾いてしまわれるのですかっ?!
っとGパンに青のギンガムチェックシャツの青年の後姿を拝みつつ
舞台の真中で尊敬を叫びたくなった私です
関係者の話によると、彼はショパンコンクールの入賞有望格で
そうなると、世界各地からオファーがくるので日本で何度もリサイタルを開催することが難しくなってくるだろう
ただ、商業イズムの中でつぶれないように、後2年は大学でしっかりと勉強させてから外へ出す
というのがロシア関係者の意向とのことでした
まるでのだめちゃんの世界ですね・・・
まだ日本国内で演奏会があるようですよ
~~そういうわけで~~
ハンカチとティッシュはいつも持ち歩いています
ティッシュは風邪をひいているときに鼻をかむ以外には耳栓に使います
ものすごい騒音や映画館に行ったときに音量の調節に便利なんですよ