【ブログ】一般質問その① ~電算システムについて~ | 「いはら陽輔と和光の未来をつくる会」活動日記

【ブログ】一般質問その① ~電算システムについて~


和光市議会6月定例会で私が行った一般質問の要旨をご報告いたします。掲載が遅くなりましたことをお詫びいたします。また本ブログの掲載内容は一般質問の際のやりとりを私がまとめたものです。正式な内容につきましては和光市議会の会議録システムに登録されますので、そちらをご覧ください。

◆一般質問通告内容◆
1 電算システムについて
(1)電算システムに対する市の評価について
(2)電算システムの運用形態について
  ア システムの共通化・共同利用
  イ クラウド化の検討
(3)公共施設予約システムについて
(4)セキュリティ対策について
  ア セキュリティ対策の実施状況
  イ 使用OSの状況

(1)電算システムに対する市の評価について

質問:現行の市の電算システムに対して「信頼性」「可用性」「保守性」「保全性」「安全性」の5つの項目の観点からの評価をしてほしい。

補足:上記の5項目の意味は次の通り
1.「信頼性」は故障や障害、不具合の発生しにくさを表します。
2.「可用性」は稼働率の高さ、障害や保守による停止時間の短さを表します。
3.「保守性」は障害復旧やメンテナンスのしやすさを表します。
4.「保全性」は過負荷時や障害時のデータの破壊や不整合のおきにくさを表します。
5.「安全性」は外部からの侵入・改ざんや機密漏洩の起きにくさをあらわします。

答弁:「信頼性」については稼動当初不具合が発生したが現在は安定している。「可用性」についてはサーバに障害が発生しても庁舎内バックアップサーバに切り替えて運用することが可能となる。「保守性」については外部のデータセンターにサーバを設置しているため、委託業者が迅速に対応できる。「保全性」についてはアクセス負荷を分散する装置を設置することで過負荷状態を防いでデータ不整合がおきにくくしている。「安全性」についてはシステム用のネットワークはインターネットと接続できないようにして、指定端末以外からのアクセスはできないようにしている。

質問:「信頼性」について、来年住民基本台帳法が改正されることによりシステムに大幅な改修を行うので不具合の発生が予測できる。不具合発生を未然に防ぐ対策は考えているか?

答弁:改正内容を市と事業者の間で共有し、改修用のテスト機を使用して徹底的にテストを行い不具合の洗い出しを行う。

質問:「保守性」について、障害発生時の復旧作業を想定したテストは行っているのか?

答弁:これまで行っていない。市民に影響が出ないことを前提にテストの実施を検討する。

(2)電算システムの運用形態について

ア.システムの共通化・共同利用
質問:電算システムはほとんどの自治体で独自のシステムを導入しているが、財政状態の悪化にともない他の自治体とシステムを共通化し、共同利用している事例が増えてきているが、市の見解を伺う。

イ.クラウド化の検討
質問:共同利用のひとつの選択肢としてシステムをクラウド化する手法があるが、市では検討を行っているか。


答弁:共同利用は事務を共通化させるための調整に時間と労力が必要となる。また個人情報の管理方法をどうするか、どこが主体となって共同利用を行っていくかなど課題が多いと考えている。
また、クラウドについては市としても注目しているが、まだ実証実験から実用化へ向けての初期段階にあるものと認識している。

質問:和光市行財政問題検討会議報告によると「物件費に占める委託料の割合が、他の自治体を大幅に上回っており、委託費の縮減が必要である」というふうに報告されている。システムの運用保守は業者へ委託している。喫緊に電算システムの委託料の縮減に努める必要があると思っている。例えばシステム仕様を共通化しやすい財務会計や文書管理などのシステムから検討をはじめてみてはどうか。

答弁:市によって財務会計も文書管理も事務処理が若干違っている。先に述べたようにどのようなシステムでも共通化するためには課題は多い。今後、クラウド化も含めて国や他市の状況を見ながら十分な情報収集を行い効率的な電算の利用を検討していきたい。

(3)公共施設予約システムについて

質問:市内の公共施設で予約できる施設と予約できない施設があるが、その理由は何か?また業務委託費はいくらかかっているのか伺う。

答弁:施設運営において優先的な利用目的が定められている施設がある。地域センター、コミュニティーセンターがその対象であり、抽選や先着順で行う予約システムにそぐわないと判断した。
業務委託費は5年契約で税込み5,877万3,750円で、今年度の支出額は881万6,094円である。リース終了後は年間コストが約600万円になる。

1年当たり約1,100万円は高額である。導入時に機能を絞った安価な他社製品の検討も行っていただきたかった。今後は費用対効果を慎重に検討した上で最適な製品を選択してほしい。


(4)セキュリティ対策について

ア.セキュリティ対策の実施状況
質問:和光市情報セキュリティ基本方針に、1.物理的セキュリティ対策、2.人的セキュリティ対策、3.技術及び運用におけるセキュリティ対策とあるが、それぞれどのような対策を行っているのか

イ.使用OSの状況
質問:Window XP、Windows Server 2003のサポート期限がせまっているが、サポート終了を見越したシステム調達計画を練っているか。

答弁:物理面ではシステムのサーバは耐震性・防火性に優れたデータセンターに設置し、業務用PCはワイヤーロックを使用している。人的面では職員や委託業者にはセキュリティ研修を毎年1回行っている。技術面ではサーバ、PCで二重のウィルスチェック、情報資産に対するアクセス制限、操作履歴の収集などを行っている。
OSについては現在使用中の機器が次期更新時に同様のサポートを継続できるOSに移行する計画である。

質問:セキュリティ教育が年1回では少ない。情報漏えい事件のほとんどは人災によるものである。時間と費用をかけてセキュリティ教育を行ってほしい。
またOSのバージョンが変わる場合システムのバージョンも変わって別製品にはならないのか?この場合は新たに購入し直さなければならなくなる。

答弁:セキュリティ教育はeラーニングの実施やセキュリティ情報発信の啓発活動の充実に努めていくことを検討する。
また現在使用中の基幹システムの新しいOSへの対応は標準サービスに含まれていることを確認している。