レーシングドライバー井原慶子のおもいっきり行こう! -543ページ目

世界選手権の開幕~WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯1

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ホテルに戻ってベッドに重い腰を下ろした途端、電話が鳴った。
1回目のコールでピンときた悪い予感は的中した。



WEC世界耐久選手権開幕戦アメリカ・セブリングサーキット。決勝が行われる前夜の22時。


このチーム大丈夫かな?どれだけトラブルが出るんだろう?


ため息は絶対つかない主義だけれど気が付くと自分の眉間にしわが寄っているのが分かる。



月曜日に始まった開発テストでは、まる一日絶好調だった。ところが水曜日のフリー走行から雲行きは怪しくなっていった。

冷却系の機器がうまく働かない

木曜日のフリー走行では電気系のトラブルも多発して、マシンをより速くするためのセッティングを出すどころではない。



金曜日、予選前の最後のフリー走行では、電気系トラブルで速度計表示なども狂ってしまい、チームのドライバー全員がピットロード速度違反で通告を受けてしまい、速度違反しないようにピットをガレージに向かってゆっくり走っていると今度は他のチームからクレームがきた。



そして迎えた予選。もはや戦うどころではなく転がすこともままならないマシン。ピットガレージから出て行ってすぐに冷却系や電気系の赤い警告灯がワンワン光り、エンジニアからすぐにピットに戻ってくるように無線で指示が出た。結局、マシントラブルのため予選を規定周回数走ることはできなかった。



予選後には、ミーティングにミーティングを重ね、マシントラブルに途方にくれながらホテルに戻った途端かかってきた電話をとると、チームオーナーの重い一言が静かに耳に響いた。


「KEIKO大事な相談があるから悪いけどサーキットに戻ってきてくれ。」


「了解。すぐに行きます。」



レンタカーを飛ばして私は真夜中のサーキットに戻った。


サーキットに到着すると、チームの首脳陣が集まっていて申し訳なさそうに私を迎え入れてくれた。



☆真夜中のサーキットで下された決断~WEC世界耐久選手権レースレポート♯2 つづく・・・