砂塵と共に吹き飛んだ不安 ☆ WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯4
☆世界最高峰挑戦への始まり☆WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯3 のつづき
ここ2年全くレースをしていなかったので、リハビリを兼ねてたくさん走れる24時間レースにエントリーした。
砂漠の砂が舞う灼熱のサーキットに行くと、チームメイト3人を紹介され、4人で24時間を戦った。
合流した初日、私の扱いは当然のごとく4番手だった。元からチームで走っていた信頼のある男性ドライバーが次々にフリー走行を走り、最後に私の出番。
久しぶりのサーキット走行なので、まずは慣らしと思って走り始めると、運転がとっても楽しく思えた!ピットガレージに戻るとメカニックとエンジニアの顔が満面の笑みでみんなが「ブラボー!」と拍手してくれた。
チームメイト4人の中でトップタイムだった。
ヨーロッパのチームと言うのは、結果を出せば素直にそれを受け入れてくれるのも女性の私にとってはとても仕事しやすいこと。この時、
『なんとかレースは走れそうだ』
と少し不安をぬぐうことができた。
そして予選アタックを任されることになり、レースでもチームで最もたくさんの走行枠を与えてもらい、2年ぶりのレースを無事完走した時には本当にうれしかった。
レース後、チームオーナーからオフィッスに呼ばれ、WEC世界耐久選手権のオファーを受けた。
私が2カ月前にYahoo!Newsで見たあのガルフカラーのマシンで参戦する話だった。
「うわー!新型ローラのLMPかっこいいなぁ。ガルフカラーだと一段とCool!このマシン操ってみたい♡」
ドバイ24時間での走りが認められて夢のマシンに乗る話までつながったことがとっても嬉しかった。
しかし、参戦にこぎつけるには大きな壁を乗り越えなくてはいけない。また世界転戦を始めるとなれば大変大きな予算が必要になる。
日本に帰国した翌日から、スポンサー探しは始まった。帰りの飛行機で書き上げた企画書を持って朝から夜中まで奔走した。