世界最高峰挑戦への始まり☆WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯3 | レーシングドライバー井原慶子のおもいっきり行こう!

世界最高峰挑戦への始まり☆WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯3

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☆真夜中のサーキットで下された決断~WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯2 の続き・・・




私は、開幕2週間前のぎりぎりにチームと契約。やっとのことでWEC世界耐久選手権と言う最高峰レースに参戦することができた。



 昨年の10月にYahoo!newsで見た記事にちょっと心を動かされたのが始まりだった。



「あのスティーブマックイーン主演映画"栄光のルマン"でも有名な伝説のガルフレーシングが2台の新車のローラを走らせる」と言う記事。



 レースデビュー時の目標であった英国F3国際シリーズに2006年までに参戦した後は、年に一度は国際レースに出場していたけれど、心と体を休める日が続いていた。レースデビュー以来、ヨーロッパ・アジアを本拠地に男性と一緒に肩を並べて10年間世界転戦してきたつけがまわり、1年間に200日以上38度の熱が出るなど体調や自律神経を崩していた。



 しかし、かねてから携わりたかった教育の仕事をはじめ、地域に住む3歳児から15歳の子どもたちに英会話を教えたり、16歳の高校生から大学院生などにフィジカルサイエンスなどを教える中で、たくさんのパワーをもらった。
 最初は、国際語である英語を使って世界の人とつながる素晴らしさを伝えたり、今までレース活動で大変お世話になった日本の人たちに恩返しするつもりで少しでもできることがあればと始めた教育仕事。しかし、子どもたちの無限大の可能性を感じ、逆にたくさんの元気を日本の子どもたちからいただいた。



人の情熱は人の心を動かすし、元気なエネルギーはさらに大きな元気なエネルギーとなって人から人へ伝わっていくことは今までも世界で実感してきた。



昨年の震災以降、多くの人が深く物事を考えるようになった日本で、私も自ら元気を出して新たなエネルギーにつながっていけばと思った。すると自然に電話を手にして何本も国際電話をかけていた。



「ドバイ24時間レースのシート空いていますか?」



ヨーロッパの友人や知っているチームにレースに参戦したい旨を伝えて再始動した。



そして今年1月、念願のガルフレーシングからまずはアストンマーチンでドバイ24時間レースに出場することになった。



☆砂塵と共に吹き飛んだ不安 ☆ WEC世界耐久選手権2012レースレポート♯4  へと続く・・・