イギリスライフ06最終回
レース前日の土曜日、予選が終わった後に始まったチャリティーラン大会。サーキットを一周してゴールで募金するという企画。
うちのチームは、メカニックからドライバーまで全員走らなければ、今年の年俸カット。ということで、みんなはりきって仮装。
マシンにつける計測器をみんな足首につけて、タイム計測まであったので、スタート後は猛ダッシュ。次のコーナーでは全員がすでに歩いていました。
青空の中みんな無事完走で記念撮影
。
次の日はまたレースで真剣勝負。
エンジニアは昨日のチャリティーランで腰が痛くて動けないとか ピット内も普段から運動不足のメカニック達が筋肉痛のせいでロボットみたいにぎこちない歩き方。この日だけは、ドライバーの体力にみんな完敗。
イギリスではオリンピックやほとんどのスポーツイベントでもぜーんぜん盛り上がらないけれど、サッカーとF1だけは熱狂的です。
特に今年はワールドカップ TVも一日中サーカー選手のドキュメンタリーばかり。
ワールドカップじゃなくても、イギリスでは週末になるとパブの前にビールのパイント(ジョッキ)をもってぺらぺらしゃべっている連中が100人、150人とどんどん膨れ上がる。イギリス人てホントに立ち飲み好きだよね。
これサーキットの中にあるパブでーす。もちろん私はこの週末はレースではありませーん。
去年のチームメイトが出ているほかの選手権を応援にきたところ、ワールドカップのイングランドの試合をランチタイムに休憩がてら応援。
つかの間の週末を終えて、またすぐに移動。次はイタリアでーす。
イタリア到着この週末は、フィレンツェの近くのムジェロサーキットでレースです。ホテル前にすばらしいチャーチが。チームメイト達と夕ご飯に出かけるときに記念にぱちり
明日から始まるイタリアラウンドに向けてがーっつりイタリアン料理を食べました。イギリスのパスタは世界中で一番まずいから、本場のパスタがおいしく感じる。トレビアーン
レースはいつも過酷です。特にイギリス国際F3は、争いが激しい。1レースにつき平均2回は大クラッシュが起こります。
今日はアイルトン・セナの甥っ子ブルーノ・セナが他のマシンに押されて私の目の前で宙に舞って壁に激突。
次の周事故現場を通り過ぎて、彼が無事に歩いているのを見てホッ
次の周にはレース再開の再スタート。もう一回集中しなおしです。
今回は日本からたくさんの方々に応援に来ていただいたので、レース後はフィレンツェ観光。
映画「冷静と情熱の間で」を見て一度は来たいと思っていたフィレンツェ。
歴史がある街と芸術作品は、素人の私でも感動。残念ながら明後日イギリスでテストがあるので、一日だけの観光。
レースを辞めたらゆっくり観光に来たいと思いまーす。新婚旅行とかで(毎年同じことあちこちで言ってはや10年(笑))
イギリスに戻ると、親友のアナがお手製スカンジナビアン料理で栄養つけてくれました
旦那のジムはF1チームのマネージメントチームで働いていて、いつもいろいろアドバイスしてくれます
明日のテストではスーパーラップだすよーいつもありがとうございます
たまには、私もレース中ピンチになったりします。
雨の日はみんな超アグレッシブ
写真の一番左が私。3台一緒に1コーナーに飛び込んで、からんで、それでも何とかこの2人の前に出ようとしてまーす
結局このレースは入賞できました
おうちに帰ってきていつもこの夜空を眺めると落ち着きます。
今シーズン最後のテスト。ウエールズのペンブレーサーキット。レースは行われず、テスト用のサーキットなので、コースアウトすると羊の群れに。。。ランチタイム食堂に行くと、メニューは一つ。
ラムステーキそんなの食べたら消化悪くて午後集中できないよー。。
でも食べないとサーキットのオーナー兼料理長に怒られるんです。
その辺にいる羊なんでしょうねぇ。このステーキ。。。いつもこっそりメカニックに食べてもらってます。
このサーキットのときだけは、日本から送られてきたレトルトカレーとさとうのご飯持ってってまーす。
ついに今年最終戦を終えて、メカニック達と 。
すごーく勉強になった一年でした。強くなったはず。彼らをはじめ日本からも応援していただきパワーをいっぱいもらってたくさんの壁を一つづつ乗り越えることができました。本当にありがとうございました。
シーズンが終われば、みんなヘルメットやバイザーなどの装備品を欲しいといってくれます。
まずは、私のエンジニアに一年間使用した彼らとの情熱のけっしょうがつまったヘルメットをプレゼント。
そしてエンジン担当エンジニアにも記念にプレゼント。
そして担当メカニックとも記念撮影
一年間本当にありがとうございました
最も嬉しかったのは、調子が悪いときも歯車が合わないときも、一緒になってとことんつきあってくれて前進しようとするその情熱。
環境をベストにできない中でも、それに近づけようと、ドライバーに力をつけさせようといろんなことにチャレンジしてくれました。
私の住んでた街。イギリスから日本に帰国する日に突然きれいな虹がマーローブリッジの上に輝いていました。
このテムズ川のほとりで考えに考えて走って、飛び込んで沈んじゃおうかとか思ったり。。。
苦しいけれど最も大切な一年だった今年のイギリス。
この街にもありがとう
皆さんこのブログを見ていただきありがとうございます。また、メールや日本から応援してくださった方々にも本当に感謝しております。まだブログは始まったばかりですが、今後もレース活動をはじめいろいろなことをご報告していきますので、どうぞ応援よろしくお願いします。
それでは、また来年。すばらしいお年をお迎えください
井原 慶子