趣味を持ちましょう! と云う言葉をよく聞くし、私のような商売だと音楽教室生徒の保護者の方から「趣味程度に弾けたらいいので」と言われることも多い。

趣味とは奥深いことをするのが趣味だと思う。
趣味で絵を描く方の作品はかなりレベルが高いし、楽器演奏の場合では音大を出て指導しかしていない方よりもはるかに弾けたり音楽的な知識も深い。
歴史を趣味としている人もなまじの高校教師よりも詳しい。
私のような映画ファンや音楽ファンでもかなりマニアックに知っているし、いい加減な評論家よりも知識はある。(金は稼げてないが)

音楽、特に楽器演奏を趣味としたければうんと聞き、しっかりと演奏力を身に着けるためのレッスンを受けさせて欲しい。
特に最近はピアノも自宅で電子ピアノを使っている方が多い。他の楽器はデジタル音源を使用しておらず自然倍音を持っているから先生との相性で上手く続ければ充分趣味としての力も付く。
この電子ピアノの場合は曲がまともな曲になればなるほどこのおもちゃでは表現不可能になるから瞬間のお遊びとしていただかねばならない。
従って音楽的な表現は身につくことは、はなはだ難しい。

趣味は生涯楽しめるものだが、お遊びはその場限りのもの。


趣味と云うのものは人間の五感をバランスよく発達させることで身につくと思っている。
確かに世の中には肉体的ハンディキャップを持つ人もいる。
その人々の多くがそれを補って余りある心(肌)で感じるような発達をしていることが多い。

人間の感性を育てていくのは決して便利と思われる物から生まれて来ないこともある。
デジタル音、3Dのデジタル画像などはむしろ人間の感性を失わせる危険なものといえる。
極端に言えばゲームを使って野球やサッカーをやっても実際にはできない。
デジタル音に慣れて自然倍音が感知できない子がスポーツをやっても絶対に上達できない。

やはり自然が一番。
食べ物も出来るだけ自然な素材を使えば健康になる。
それと同じと思いませんか?