ピアノ、ヴァイオリン、ギター等の楽器は木で出来ている。
しかも、心臓部にあたる響版はスプルースという木で作られる。
このスプルース、最も高級かつ良いものはドイツ、イタリアのヨーロッパアルプスのごく一部に生えているものを使う。

職人達は雪の積もった満月の頃、木を切り橇に乗せ、麓の川に浮かべて貯木地へと運ぶらしい。
引力の加減で水分を吸い、雪の中切り倒すと木へのダメージが少なく川の水も中央が盛り上がり運びやすいからと聞いた。
この話を聞き、職人の木への愛情と知識の素晴らしさに感動した。
ヨーロッパの高級スプルース、数も少ないが高くて当然の思いがする。
音も全く違う。

しかも、切り倒した木は何十年も後に製材され商品となる。
切られて商品になっても木は生き続ける。
我々人間よりも長く行き続け、素晴らしい演奏者を通じ人々に感動まで与えてくれる。
楽器だけではなく他の製品になった木も同じように私たち人類に貢献してくれている。

木は我々人類を常に守ってきてくれた存在。
酸素を供給し温もりを与え、外敵からさえ守ってくれた。
この話を聞き、満月を見ると森を連想するようになった。
優しい月の光も太陽に負けないくらい私たちに必要なものですね。