親と子の関係が希薄になって来ている。
親が子を、子が親を殺したり傷つける事件が後を絶たない。
昨日のニュースに17歳の少年が父を殺した事件があった。

この少年と父親はとても仲が良かったらしい。
数年前に母が亡くなり、父は母に苦労ばかりかけたと嘆いていたという。父と子はいつも一緒に居て馴染みの飲食店でも自慢の息子だと父は言い、少年も親父が大好きだと言っていたらしい。
近所でも礼儀正しい子だという。
父が肝臓を患い「殺してくれ」と再三言っていたという。
それを聞いた居酒屋の主人はこの子に馬鹿なことをさせるんじゃあないと諭したこともあったらしい。

しかし、親孝行の息子はその父を思い、殺してしまった。
悲しい事件だ。
これから長い人生の中、その少年はどのように生きていくのだろうか?
おそらく、天涯孤独の身だと思う。
憎しみや欲望の事件ではなく、優しすぎる気持ちからの事件。
介護中の身内が犯す殺人にも同じような優しさを感じる。
しかし、生活する周り、向こう三軒両隣に親しく付き合える関係があれば防げる事件だ。

優しさ溢れる近所づきあいの無い今の社会。
その優しさが間違っている。もっと違う方法もあると言える大人が周りにいなかった。
基本的な人間の優しさのある生活を取り戻したい。
そんな気がする事件だった。