ショパン、チャイコフスキー、各コンクールが終わると最近は日本人が入賞、優勝する事も多く突然友人や知人等から「優勝者や入賞者はすごい演奏家なのだろう」と聴かれることが多い。
昨年のバン・クライバーンコンクールの後も例外ではない。

私の答えは「プロはコンクールを受けない。コンクールはドラフトみたいなもの。1位でも10年後ぬいぐるみを着ている可能性もある」と。
実際過去のショパンコンクールの優勝者の名前を見ても数人しか活躍していない。
特に情報がいきわたりやすいこの時代、優れた子は先生からエージェントに伝わる。
世界の一流コンクールでも世界マーケットのエージェント向けのドラフト。

現在、日本の楽器メーカーや音楽業界、自動車メーカーが有名コンクールにスポンサーとしてお金を出している。
従って、そのスポンサーの国に敬意を表して、何処かの部門で優勝させたり入賞させたりする。
票の売り買いもある。
決してクリーンなものではないと、嘗て有名なコンクールの審査された方から聞いたこともある。
コンクールは絶対評価ではないことを日本では理解していない。

確かに優勝、入賞した若者の資質は素晴らしい。
しかし、彼らは発展途上の金の卵。
マスコミが持ち上げ、その才能をつぶす事の方が多い。
彼らはプロとしてのスタートラインにつける資格が出来たところ。スポーツと違い彼らの真価は30歳を過ぎてから。
本物の音楽を聴いたことの無いマスコミや大人が彼らをつぶしてしまう事の無いよう、あと10年は勉強と鍛錬をさせましょう。