海外留学から帰ってきたピアニストで講師をしてもらっている方と話をしていてこう言っていた。

「日本に帰ってきて愛想や対応が悪いと友人たちが言う店もパリのお店に比べてはるかにサービスは良い。
しかも、一流ホテルや旅館、レストランなど素晴らしいサービスは驚くほどです。
それなのに文句や苦情を言っている人がいるなんて信じられない」と。

たしかに今の日本、クレームの氾濫大国。
とにかく文句を言う。自分のことは棚に上げて、とにかく自分は正しく相手が悪い。
自分の責任も相手に転嫁する。
まだ、裁判に持ち込まないだけましなのか?

その日本人、海外に行くと特にヨーロッパ、アメリカ、一流ホテルでも決してサービスの行き届かない。
しかし、言葉が出来ないのとコンプレックスもあり文句は少ない。
そのかわり添乗員は大変かも。

確かにサービスは日本ほどではないがとにかく干渉しないと理解している。

我が音楽教室でも、ある講師さんのお父様が急死された。急いでその日と数日間のレッスンの休講をお知らせした。
ある生徒さんの親御さんから「分かりました。ところで」と言われたのでてっきり争議の場所と日取りの問い合わせかと思ったら、「この振り替えレッスンは何時になりますか」と聞かれて驚いた。
自分が勝手にレッスンを休み、振り替えレッスンの要求は日常茶飯事。
驚かなくなった。亡国とは大げさかもしれないがその方向に動いている事は確か。

損か得かしか判断基準を持たない。ノウハウのみを学びマニュアルのみで学んだ気になる。
親しい相手との会話はしたことがあるのか?
最近気の利いたバーで人を見かけない。大人数で大声でしゃべっている様子は見る。
親しい友人と静かに語り合う姿。若いカップルが恋の道筋を探りながら語り合っている様子も好ましい。

相手の気持ちを理解しながら語れる国に戻りましょう。
これ以上のクレーム大国から訴訟大国になる前に。