最近の映画や音楽情報も観たり聴いたりするけれど、映画は昔の巨匠監督や名優の出ているものを観ると感動し、やはり今のこけおどしの映画では物足りなくなる。
音楽も嘗ての巨匠達の演奏を聴き、この演奏家は若いけれどいいとか人気だけでゴミみたいなプレーヤーだとか思ってしまう。
名指しで言うと大バッシングを食らうのでここには書き記さない。

本物(私の独断と偏見)を知る事は全ての分野で感動を覚える。
数年前に行ったミラノの小さい美術館で小さい静物画の前で思わず立ち止まってしまい釘付けになった事がある。
画家を見るとカラバッジオ。天才とはこういうものだと再認識。
演奏でもしばし我を忘れ拍手が出なかった事もあるし、孤高の天才アンリ・バルダの演奏では何時しか涙が出て止まらなかった。
料理でも高級で値段は高いのに腹の立つような味の店もあり、本当に小さな名もない店で感激の料理に巡りあう事もある。

これも親のおかげと感謝しなければならない。
楽天家でお洒落で食道楽で音楽と映画好きの父と絵も好きな母が自分達の楽しみを子供達と分かち合ってくれたからかもしれない。
私の年代でも知らない映画やジャズも生活の中に自然にあった。

知識とか知恵というものは学校では学べないものかもしれない。
こんな時代、ある部分楽天的な気分で行かねばやりきれない。
しかし、この15年以上、悩まずにいられる日は記憶が無い。
天才たちに巡りあいカラゲンキでもいいから生きていこう。
人間一人では生きていけないから。