タイトルは親爺ギャグですみません。
イーストウッドと読んで下さい。
昨夜、突然思いつき配偶者と共に現在、最も尊敬する映画人、クリント・イーストウッド監督の『インヴィクタス』に行って来た。

彼はテレビ俳優からイタリアでのマカロニウエスタンの成功からドン・シーゲル監督の『ダーティ・ハリー』シリーズで大スターへとなって行ったのは皆様もよくご存知でしょう。
『恐怖のメロディー(Play Misty for Me)』で初監督し俳優と監督の二足のわらじで次々とヒット作品を作り、若い頃のイメージからするとニヒルでハードボイルドな「動」の映画人のイメージが強かったと思う。

しかし、ジャズが好きで自らもピアノを演奏し、最近の作品では自ら音楽も作る「静」の性格が彼の本来なのかもしれないと感じる。
昔の不思議な西部劇『ペールライダー』もアクションは有るが「静」の作品だった。
西部劇としてのその集大成が『許されざる者』。この作品からモーガン・フリーマンとコンビで『ミリオンダラー・ベービー』そして今回の『インヴィクタス』へと繋がる。

『ミスティック・リバー』にも共通するのですが、何とも静かに人間を見つめる、撮る側が興奮していない。
作風は異なるが、小津安二郎監督の作品の様に優しく人を見つめる。

この『インヴィクタス』、皆さん観て欲しい。
私達はネルソン・マンデラ大統領は知っているが、彼がどのような人生、考え方で南アフリカと云う国を方向付けようとしたか、それと、ラグビーと云うスポーツとの繋がり方、いやスポーツが人の気持を一体化する効果を知っていたのか? 
そして、恨みと復讐からは何も前進しない事への思いの深さ。
それを、イーストウッド、フリーマンの名優であり素晴らしき映画人がこの作品の制作者としての心意気が観た人のから静かな感動と涙を与えてくれる。

スポーツによる一体感、実は昨年、私が所属していた関西大学のアメリカンフットボール部が62シーズンぶりの大学日本一となった。
楽器業界の中に同窓生の多さに驚いた「庵原社長、実は私も関大卒なのですよ」と言う後輩の多い事。
これで、あいつ達には偉そうに言えるなと思ったりはしていません。
一つの大学でもこのような効果。
今か際されている冬季オリンピックを観ても分かるでしょう。
普段見た事もないスポーツに寝不足になりながらも一喜一憂している人もいるでしょう。
見方によればマット・デーモン主演のラグビー映画としても素晴らしい事も付け足しておきます。

今夏の作曲には彼の息子でハンサムなジャズベーシスト、カイル・イーストウッドも親爺と共に参画。瞬間で上手く読み取れなかったがロジャー・ケラウェイの名前も観た。ジャズ愛好家の彼らしい。