名優、藤田まこと氏が亡くなられた。
特に知り合いでもないが、その昔東京への飛行機で隣どうしになっただけ。派手ではないが存在感があり、スター気取りも無く自然体で物静かな方、隣で台本を読まれていた。

50年以前になるか、私の住んでいる御影の町内会で地蔵盆(8月24日25日)に関西のお笑い芸人が来て漫才から漫談、声帯模写、腹話術を広場に臨時舞台を組み、私たちは茣蓙(今ならビニールシート)を持って行き、楽しんだことが思い出された。
出演者を聞くとお笑いファンは驚きますよ。

エンタツ・アチャコ、ミヤコ蝶々・南都雄二、秋田A助・B助、夢路いとし・貴味こいし、中田ダイマル・ラケット、かしまし娘、大村昆、佐々十郎、茶側一郎、芦屋雁之助・小雁・雁平、川上のぼる、森光子、等々。
その中で藤田まこと氏は声帯模写をやっていた。
ちょうど放映していた『びっくり捕り物張』というテレビの番組でダイマル・ラケットの目明しを差配する同心役でその妹役(本当だったら姉のはず)が森光子だった。(実は森光子さんもお笑い出身。漫談をしていた)
これだけの方が寄席を終えて駆けつけてくれたのは、同町内に住む大久保怜氏の力だった。多分、そんなギャラを払わず交通費くらいだったのだろう。
以前、娘に話をすると「いいなあ~」といっていた記憶がある。

名優、藤田まこと氏の訃報でそんな記憶が昨夜よぎった。
しかし、日本の時代劇が様になる俳優がまた一人亡くなられた。