私の母は認知症で特別養護老人ホームへ入居している。
そこは全国で初めて認知症の専門の施設として発足しておりもう結構長く母はお世話になっている。
その施設の相談員の方から5年程前、「家族会を作りたいので役員になっていただけないだろうか」と言われ、母も世話になっているのだからと思い引き受けた。

こういう任意組織は高齢者の施設の為、入居しているご家族が亡くなると、自動的に退会となる。
それゆえ、役員と云ってもボランティアゆえ2年の任期で輪番制と云う風に聞いていた。
ご多分に漏れず、この時に役員のリーダーの方もご尊父が亡くなられ、退会された。その後、古い者順で私が会長になってしまった。
しかし、多くのご家族は引き受けていただけないのが現状で、まるで私は年期の明けない女郎のような感じで続けている。

確かに核家族が進み、サザエさんの家族のような家庭は珍しい。
学生時代から実家を離れそのまま遠くで勤めたり、転勤で実家を離れてたりすると親に愛情を持っていても親が側に居ない事の方が当たり前であろう。
私は家業を継ぎ、母も父と共に仕事をし父が亡くなった後社長もしていた。
私はいつも母の存在が当たり前で生活をして来た。
弟は私以上にお母さん子で今も母への愛情は深いが、私より近くに住むが施設への訪問は少ない。
家族会の総会や催しに出席するのは全家族の40%程度しか来られない。
『楢山節考』とは云わないが、現代の姥捨て山になって欲しくない。

ご両親から離れて生活をされているご家族が大半と思うが、たまにメールでは無く電話もしてあげて下さい。遠く暮らせばなかなか逢えません。
しかし、声を聴いて下さい。より、身近に感じるはずです。