先日、ある方から一人の少年の話を聞いた。
彼は12歳の頃、阪神淡路大震災に遭遇した。
そして家が倒壊し彼は脱出出来たがお母さんとお父さんは足を挟まれ動けない。助けを求めても周りも同じ惨状。
彼は必死で持ち上げようと試みたがびくともしない。
そこへ火の手が上がり、迫って来た。彼は泣き叫びながら両親の救出を試みた。火が迫って来たとき両親が「逃げろ、かまうな」と叫び彼の目の前で両親は焼け死んだ。

その後、彼は「僕が両親を殺した」と言い続け、人に心を開かなかったし他人に対し辛辣な事を言っていたらしい。
ある日、彼が私に話をしてくれた人に「ごめんな、僕、嫌な事ばっかり言ったのに、先生はじっと聴いてくれた。僕、医者になって人を助けるから許してな」と言ったそうだ。
今、彼は医師としての修行でアメリカ留学しているらしい。
この青年に逢ってみたい。