商店

お年寄りと話をしていて（私も年寄り）、「最近は身近にお店が無くなり不便ですね」と言われた。
確かに大型店舗が各地に進出して来て地元のお店が無くなって30年近くなって来た。

上の娘が小学校1年生になった時「八百屋さんとかお魚屋さんてどんな所？」と聞かれた。
家内が普段に彼女を連れて買い物に行くのが当時住んでいた所のスーパーマーケット。知らなくて当然だった。
早速父として日曜日に車で市場に連れて行った。娘達はメモと鉛筆を何故か持って出掛けた。

市場の魚屋さんやお店の方が大声で客を呼び込む様子に驚いていた。「こんな怖い声を出したらお客さんが来ないのじゃない？」と言っていた。
「美味しい物の美味しい食べ方を大声で教えているんだよ」と言うと少し納得。
私は父と正月前に市場に買い物に行っており、その時代も正月前には一人で買い出しに行っていたから市場は大好きな場所。

その後、この市場もシャッターを閉じている所が増えて来ており、私の育った阪急御影駅前もお肉屋さん魚屋さん駄菓子屋さんも無くなり、本屋さんも無くなった。
各地で小さい本屋さん電気屋さんも消えて行く。地元に密着したサービスは行き届かない。一人暮らしの老人には昔ながらの御用聞きと配達をしてあげる様な街の優しさは日本全国で消えて行っている。
隣人同士の助け合いも昔の風習。

古い町には鎮守の杜が有り、お祭りが伝統として残っている。商店街や市場が消えると祭りの運営が困難になる。
大手スーパーや大型店は地域等どうでも好い。採算が上がりにくくなれば、店舗を閉めて他の地域に出店すれば好いとしか考えていない。
祭りの為の実行委員等に人や金を出す気は無い。
殺伐とした日本になるのは当たり前。

もう一度地域の商店を見直して欲しい。
転勤族だから、そんな事はどうでも良いと思わないで欲しい、何故なら貴方と家族の住む町は故郷の一つなのだから。