昨夜、BSで『シェーン』を放送していた。
若い方には馴染みの無い映画でしょうが、私の最も好きな映画だ。私のベストムービーは『アラビアのロレンス』だが好きなのは『シェーン』。
始めて見たのはまだ5歳くらいだったと思う。映画に出て来るジョーイ少年がお兄ちゃんに見えていた記憶がある。
この映画、名監督ジョージ・スティーブンスがジャック・シェーファーと云う小説家の作品を映画化した西部劇の名作、いや、映画史上に残る素晴らしい映画の一つと言える。
DVDを持っているにもかかわらず見てしまった。

主演のアラン・ラッドと言う俳優はこの時期少し売れっ子だったが、ソフィア・ローレンがハリウッドデビューの『島の女』が有名くらいで、大きなキャリアを持たずこの映画の為にだけ出て来た俳優かもしれない。最後の作品は『大いなる野望』でシイシナティー・キッドと云う俳優役で出ており、その演技が評価され、彼の主演で『シイシナティー・キッド』と云う映画を作る話も有ったが、自殺か事故か分からない無くなり方をし、その後スティーブ・マックインで映画が作られた。

この映画のストーリーをもしも現在の監督が撮ったら30分もかからずに終わってしまう気がする。
俳優達が細かい表情の演技をし、ゆったりと間を持ちながらも緊張感も有り、家族や正義、人の生き様を素晴らしく表現をしている。「シェーン、カム・バック」と少年が叫ぶ映画史に残るラストシーン。
カメラの位置をジョーイ少年の目の高さで撮っているこの映画、観た子供は必ずシェーンが好きになる。
子供時代のトラウマではないが、還暦を超えた今でもシェーンが好きな爺さんだ。家内からは半分バカにされて笑われている。