よく、「解ってるか」と質問すると「知ってます」と答えられる事が有る。
それは。単に言葉上や文章等を記憶して、知っているだけなのを当人は感じていない。
例えば、風速30メートルの風が吹くと言われても、それがどれくらいきついものかほとんど感じていない。30メートルでなくても20メートルの風を感じた経験が有れば、普通の人であれば、理解出来るはずである。震度7も震度5を体験した人でその揺れの100倍以上だと解れば、危険度を想像出来る。もっとも、災害を感じろと言うのは難しい話であろう。

私の仕事上、良い音のピアノや楽器を知る事、良い演奏を知る事は重要な事である。しかし、大抵は良い音の楽器や演奏を感じる事が出来ない生活をしている。
人間の頭脳の発育は、個人差は有ると思うが、平均12歳迄と言われている。それ迄に感性を高める為の環境に左右されるようである。
私の経験であるが、あるピアノを店頭に置いた時、私が素晴らしい音だろうと社員達に言ってもあまり反応がなかった。たしかにアップライトピアノなので、グランド程の差はないかも知れないが、私は大きな差を感じていた。その後、色々なピアニストや音楽家達が「いい音ですね」と言ってくれて、やっと私の言葉を信じたようである。しかし、自分で感じているのではなく、そのメーカーのピアノの音がいいと知っているだけなのかもしれないと思っている。

演奏でも、ショパンコンクール優勝後、日本に居着いてヨーロッパ、アメリカでは演奏実績はほとんど無い世界的ピアニスト?や数奇な運命に翻弄された事で受けているお年寄りのピアニストの演奏を聴いて感激したと言う方に出会うと、困ってしまう。
私にとっては全く価値のない、マスコミが勝手に作り出したヒーロー、ヒロインだと思うから。
やはり、本物の巨匠や若手の優秀な音楽家の演奏を感じて記憶してもらいたい。

これは、食べ物にも言える、雑誌に載っている店を信じて欲しくない。
私の個人的な思いですが、お気に入りの店は雑誌に載って欲しくない。なぜなら、私が行った時、常連以外で満員で入れなかったらいやだから。
もし、神戸に来られて美味しい所を探される場合は、前もってメッセージを下さい。喜んでお教え致します。
神戸の街を好きになってもらえれば、最高に嬉しい事でもあるので。