先日録画しておいたNHKの椎名林檎の番組を観ていてちょっとびっくり。
ベースの鳥越くんが上裸にサスペンダーみたいな格好でカッとんだ演奏をしていたからだ。
ジャズ系、例えば菊地成孔ペペとかで観る鳥越くんがとっても渋い姿であるがゆえに、そのあまりにも違う様子に正直ギャップ萌えしたのであった。

へえ、林檎さんとやっているのは知っていたが、こんな感じなのか~

加えて笑ってしまったのは、ピアノの林さん、ドラムの石若、あとアコーディオンの人は林檎さんと同じスタジオにいるのに、なぜか鳥越くんだけが別撮りで、しかもバックの映像が青空の下、岩にうちつける白波といったものでかなりシュールで笑えたのであった。

さて、昨日映画『怪物』を観た。

 

 

映画館は世にもおぞましい「エブエブ」以来なので、もう何を観ても「エブエブ」以下はないであろうというセイフティーな心持ちで観ることができた。

うんうん、なかなか良い映画ではあったのだけれど、想定内といえば想定内かな。
もともと是枝作品は過大評価されていると思っている私なので、これはけっこう賛辞なのですが。大好きな坂元さんの脚本のなせるわざかしら。

いやいや良い映画でしたよ。
少年のセクシュアリティの出し方がそこはかとなくてとっても良かったと思います。
不気味な管楽器の音、チョイチョイぶち込まれるジェンダー・コンシャスなセリフ等々、作り込まれている感じはしましたね。

問われるよなぁ…
自分は保身に走ったことはないのか?
自分はセクシュアリティについての差別意識はないのか?
自分は気負って生きていないというのか?
自分は嘘をついたことはないのか?
自分は〈怪物〉ではないと言い切れるのか?

ね、
大人も子供も、自らの内なる怪物を飼い慣らして生きてゆく…といったところでしょうかねえ。

あ、そうそう、高畑充希ちゃんの無駄遣いが少し気になったが、想定以上に良かったのは教授の音楽。最後の追悼文がむしろいらないんじゃないかと思われるくらい、音楽は良かった。
「hibari」のリフレインをこんなにも効果的に聴かせるとは…。合掌。