アカシの様子を見ていると、ためらっているようにも思えた。
「やりたくない」
そう口には出さないが、気乗りしていないのは確かだった。
アカシとこてっちゃんとの出会いは喧嘩だった。
こてっちゃんがアカシに挑んだのがきっかけ。
結果はこてっちゃんの負けだったが、それから喧嘩を重ねていくにつれて二人は盟友になった。
以来、小競り合いはあったろうが、二人の本格的なタイマンは聞いた事がなかった。
しかも今回はアカシに喧嘩をする理由が無い。
喧嘩に理由なんて要らないとはいっても、アカシにしたら寝耳に水の事。
二人は同じ族に入って、結束して、外に打って出るまさに同志のようなもの。
気乗りしないのも当然だった。
女がらみの嫉妬となれば尚更。
それでもこてっちゃんは純粋にアカシを越えたいとも思っている。
アカシはこてっちゃんの挑戦から逃げるわけにはいかなかった。
二人がやり合えば互いにただで済むはずもない。
アカシの事だから、物事を穏やかに解決させようと考えていたに違いない。
そこに美咲登場。
美咲の無言のプレッシャーがアカシにのしかかった。
アカシは部屋に戻ると、またベッドに横たわった。
そして「帰れ。今日は来るんじゃねーぞ」と言った。
そんな事を言っても俺が行くのは分かりきっているだろうが。
珍しく苛立っているのが丸分かりだった。
アカシを怖いと思った事は何度かある。
そして、この時も怖いと思った。
俺はアカシの家を出てこてっちゃんの家に向かった。
アカシの喧嘩ならいつだって見たい。
今回も途中まではそう思っていた。
このまま二人をぶつけさせてはいけないような気がした。
こてっちゃんのアパートまで来ると、丁度こてっちゃんが外にゴミを出している所だった。
~つづく~
井口達也
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