俺はその場で天を仰いだ。
ダメだ、この男。
悪ノリの塊のような男だ。
レンやマイが何とかカズキたちを帰そうとしているのに、窓から思い切り顔を出して手を振った。
予想通り、窓の外からはカズキ達の怒号が聞こえてきた。
もう隠れていられない。
隠れるなんて性分に合わないが、あっちゃんは酔っているし、俺もいい気分だ。
今から急いで要達を呼んでも、到着する頃には俺達はぼろ雑巾のようになっているだろう。
もはや覚悟を決めるしかない。
しかし俺の心配をくつがえすように、あっちゃんは「さーて、やっちゃいますかー」と言った。
酔った顔から一変していた。
もしかしたらいけるかもしれない。
何だかんだ言っても、喧嘩となるとあっちゃんはスイッチが入るのだろう。
「はぁ。やるか」
俺はそう言って下におりて行こうとあっちゃんに目で合図を出した。
あっちゃんも首の骨を鳴らしてやる気満々。
颯爽と階段に向かって歩き出した。
その時だった。
ガタ!ドン!デデデデン!
あっちゃんが階段から転げ落ちたのだった。
やっぱり…酔っている。
完全に、酔っている。
階段の上からあっちゃんを見下ろし、俺はため息しか出なかった。
ゆっくりと階段を下りて、あっちゃんを見ると、のびていた。
ダメだこりゃ!といういかりや長介の顔が頭に浮かんだ。
あっちゃん…お前は中年Aか…と思いながら、俺は一人でやる事にした。
俺が外に出ると、カズキ達は既に小屋の出口に群がっていた。
俺はとっさに言った。
「タイマンだコノヤロウ」
カズキに向かってヤケクソ気味に言った。
相手は十人は居た。
活路はタイマン以外に思いつかなかった。
~つづく~
井口達也
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