福田先輩は目をこすりながら、「はぁ~あ…おし。下りるぞー」と言った。
緊張感のかけらも感じない。
福田先輩に促されて俺も村上も車を下りた。
俺達三人は男の後をついていった。
数メートル先の男に聞こえないように村上がささやいた。
「これヤバくねぇか。どうするよ」
福田先輩は村上の肩をポンと叩いた。
「ビビってるとこ、これ以上見せんじゃねーぞ。相手の思う壺だからよ。ビっとしてろ」
福田先輩はそう言って、また眠そうな目をこすった。
ビっとしていないのはお前だとツッコミを入れたくもなったが、福田先輩の言う通りだ。
飲み込まれている雰囲気を出せば、相手が先手を先手を打ってくる。
無理して虚勢を張るのも、こういった場面では必要だ。
「ヤバい感じになったらどうします?」村上が言った。
「そん時はな…逃げる」福田先輩は満面の笑みでそう答えた。
やっぱり、ノープランだった。
そうこうしている内に男は倉庫の脇のドアを開けて中に入って行った。
倉庫の正面シャッターは閉じていた。
それにしても大きな倉庫だ。
横幅20メートル以上はあるだろう。
奥行きもかなりありそうだ。
俺達は福田先輩を先頭にして、倉庫の中に入って行った。
~つづく~
井口達也
※一日一回のクリックが、映画化を実現させる。
諦めなかった奴等が、勝つ!→人気ブログランキング投票
- チキン「ドロップ」前夜の物語 12 (少年チャンピオン・コミックス)/秋田書店
- ¥453
- Amazon.co.jp
¥576
Amazon.co.jp
¥1,575
Amazon.co.jp
¥1,500
Amazon.co.jp
チキン「ドロップ」前夜の物語 1 (少年チャンピオン・コミックス)/秋田書店
¥440
Amazon.co.jp
¥560
Amazon.co.jp
¥1,260
Amazon.co.jp
※最後まで見てくれてありがとうございます。
押してもらえたら力になります→人気ブログランキング投票