今月誕生日を迎える全ての皆、おめでとう。
一歳年を重ねると言う事は、一年分、人間力が分厚くなるって事だよ。
歳をとるって、なんだか老け込みそうな言葉で好きじゃないわ。
皆に、幸あれ！
狛江一、いや、俺の中では日本で一番、と言う事は世界で一番美味い焼肉屋「ナユター」がその４４年の歴史に幕を下ろした。
４４年間、夫婦二人で守り抜いたナユター。
俺の身体はここの肉で出来ているし、俺の心はこの夫婦によって成長させてもらったと言っても過言ではない。
ガキの頃からオヤジによく連れてきてもらった店。
どうしよもないクソガキになってからも小金が手に入ればとにかくナユターだった。
ドロップやチキンに出てくる仲間達はほぼ確実にここの肉で育ってきた。
大人になってからも、どんなにおしゃれで高価な焼肉屋に行くよりも、ナユターが好きだったし、女を連れていくのもナユター。
ナユター以上の居心地と味の店は俺は知らないのだ。
そういうわけで、ナユターの最後を狛江仲良し会で見届けてきた。
おじちゃんとおばちゃんに、メダルと賞状を用意してさ。
何でこんなにいい店をたたんでしまうんだよコンチクショウ！
もうゆっくりしたいらしい。
一つの歴史、４４年間という歴史は、重い。
ほんと、心にぽっかり穴が空いた気分だってんだよ。
今この時代、４４年間もやっていける飲食店なんて幾つあるよ。
本当に頭が下がる。
ラストって事で、過去最強に食ってやったわ。
喰らい尽くしてきた。
ダイエット中のこの福田大明神も、容赦なく食ってた。
デコに肉29マークまで入れてさ。
祭りだった。
おじちゃん、おばちゃん、今まで本当にお疲れ様。
ボクはこんなに大きくなりました。
腹がね(笑)
今後の人生、二人で仲良くやってくれー！
ナユター、もう食えないのは寂しいぜ。
でもな。
実は、ナユターの秘伝のレシピは、ある人物に継承されたのである。
ナユターを世界一食べた男にな。
ニヤリ。
いつか、絶対、復活させたるわ！
この手でな！
歴史の終わりは、始まりでもある。
成り上がる。
成り上がって、俺は狛江の心でもあったナユターを復活させ、狛江に心を取り戻すんだー！
歴史に自分の足跡を刻みつけるっていうのは、本当に大変だよな。
映画の話だってそうだよ。
諦めた瞬間に消し飛んでしまう。
諦めなかった奴が勝つって所を、見せたるわ！
何だか分からんが、すごく、気合い入った。
井口達也
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