顔を確認しようともう一度振り向くと、助手席の男が窓から身体を乗り出し、日本刀を高く掲げていた。
声を荒げて何やら叫んでいる。
すると俺の横で走っていた山ちゃんが「前に行け」と手で合図を出した。
ケツ持ちを買って出た山ちゃんは、慣れた様子で蛇行運転を始めた。
速度を落とした運転をする事で、後ろから追ってくるベンツを本隊から遠ざける為だ。
俺はスピードを少し上げて、前を走っているメンバー達に合流した。
相手が誰だとしても、行く時は行くメンバーが揃っていた。
そういう余裕が失敗の元だった。
追ってくる相手が警察なら蛇行運転で十分速度を抑える事が出来る。
ところが相手は本職の奴等。
事故にならないように速度を抑えてくれるなんていう事はなかった。
蛇行運転をする山ちゃんの単車を上手くかわして、ベンツは本隊の真横に追いついてきた。
そして、ためらいもなく俺達の単車に車を寄せてきた。
少しでも振れたら単車は転がってしまう。
こういう場合、単車は不利になる。
皆で囲み込んで蹴りでもくれてやろうと思ったが、ぶつけてくる気満々の相手には危険すぎた。
俺達はばらけてベンツをどうにか避け続けた。
すると間もなくして山ちゃんが追いつき、またベンツの前に出た。
その時だった。
ベンツは更に加速して、山ちゃんを単車ごとなぎ倒したのだった。
井口達也
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