中学時代のとある日の出来事。
登場人物
信濃川ヒロシ
井口達也
井口父
－－－－－－－－－－
達也「まぁ、あがれよ」
俺は団地の自宅の玄関を開け、傷だらけのヒロシを先に中に入れた。
そして誰かに後を付けられてこなかったか辺りを見回した。
俺とヒロシは、最近名前を売っているプー太郎三人衆という俺が勝手に名づけた不良グループと喧嘩をして帰ってきたところだった。
高校にも行かずにこの辺でチンピラを気取っているグループだった。
駅前で見つけた俺は、ヒロシが静止するのを無視してプー太郎三人衆に喧嘩を売った。
相手も俺の事を知っていたらしく、人気の無い場所に移動してすぐに喧嘩が始まった。
楽勝かと思いきや、ヒロシが全く戦力にならず、逃げ回っているだけだった。
元々頭数には入れていなかったが、それ以上に相手がなかなか粘り強く、俺は苦戦する事になった。
そして、ヒロシを助けようとした所に、俺は後頭部に三段警棒を振り下ろされた。
一瞬意識が飛び掛った所に、散々頭を引っ叩かれてうずくまってしまった。
ヤバいな…
そんな時に人が来て「警察を呼ぶぞ！」と叫ばれた。
それを合図に俺とヒロシは逃げた。
しかし。
粘り強いのは喧嘩だけではなく、性格もしつこい相手だった。
俺とヒロシが逃げても、相手は走って追ってきたのだった。
どうにかまいたつもりだったが、気持ち悪いくらいにしつこく追われたのだった。
誰も付いてきていないことを確認し、俺は家の中に入った。
すると親父が案の定ステテコ姿で寝転がりながら新聞を読んでいた。
～つづく～
次回最終話(予定)
井口達也
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