今日は春にまつわる昔話をしようと思う。






少年院を出てシコシコと働く身だった俺は、ひょんな事から大学のテニスサークルの花見(という名の新入生歓迎コンパ)に参加する事になった。






まっとうな道を踏み外した俺にとってみたら到底知る事の無い世界がキャンパスライフというものだった。






それを知る機会が来たという事で、正直かなり楽しみだったよ。






俺のツレだった不良の要(かなめ)と、その後輩の今井って男の三人で花見に潜り込んだ。






大学では入学式が済むと早速新歓コンパが連日開かれる。各サークルが新入生を接待して一人でも多く部員を確保するのが目的だ。






今井の親戚がその大学のOBでさ、気のいい兄貴的な存在だった。







花見の話をしていたら大学の話になって、「紛れ込んでも誰も気が付かないから行ってみな?新入生はただで飲めるし、たらふく食えるぞ。女の子も多いから楽しいかもよ」という言葉に乗せられ、貧乏根性丸出しの三馬鹿トリオはホイホイと出かけたって訳だ。



女といえばテニスだろうって事でテニスサークルのコンパを選んだ。鉄パイプや金属バットなら持ち慣れているけど、テニスラケットなんて持った事もない三人。




しかも要と今井は普段からゴリゴリの不良スタイルだ。




さすがにそれはまずいって事で、要は金髪のリーゼントを黒くして下ろし、今井も黒く染めた。要はトレードマークだったチョビ髭まで剃って、女にモテようと企んでいた。



そして当日を迎えた。

~続く~




井口達也


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