昔よぉ、ガキん時に

電車で長崎を

目指した事がある。


前も北海道に

電車で行った話し

したじゃん?


俺、

ガキん時から旅が

好きだったんだよ。


何も考えずに

ぼーっと景色を

見るのが好きなんだな。


勿論

車の旅も

バイクの旅も

好きだぜ。

それと自転車の旅もな。


自転車の旅…

懐かしいな。


おっと

これは書くと

長くなるから

また今度にしようか。


ニヤリ。


このニヤリの意味は

近々明らかに

なるだろうな。


それにしても

何故長崎かって?


仲間が長崎に引っ越してよぉ

ヒマだったし

びっくりさせようと思って

ふと思いついたんだよ。


親父の財布から

金を抜いて

ポケットに押し込んだ。


どんくれー遠いかも

分からないまま出発した。


景色を眺めては寝て、

眺めては寝て。


繰り返して京都に着いた。


京都からは寝台列車に

乗って九州へ。


博多に着いた時には

所持金が110円だった。


120円だったかな。


まぁとにかく

極貧状態になった。

でもせっかくだし

とんこつラーメン

食いてーじゃん?


でも金が足りねー。


誰か金くんねーかなって

駅でぼーっとしてたら

元気の良い

俺と同年代に見える

不良君達に絡まれた。


絡ませた?


まぁ

どっちでもいい。


優しく優しく

ゲンコツゲームで

語り合ったら

ラーメンをご馳走

してくれた。


喧嘩じゃねーぞ?


ゲンコツゲームという名の

遊びだからな(笑)


って事にしといてくれ。


ちなみにこの10年後

俺は仕事で

また博多に行った。


そん時は金もあったから

ちゃんと自分の金で

屋台に行ったぜ。


今もあるかな…


「ぴょんきち」っていう

屋台だったな。


ちなみに屋台が出るまで

時間があったからよぉ、

天神でやってた

カラオケ大会に

飛び入り参加したりな。


景品は

ラッキー池田の

ぞうさんじょうろだった…


なぜにじょうろ…。


まぁいっか。


話を元に戻そう。


ゲンコツゲームに勝って

腹は膨れたけど

金がねー。


キセルしても

良かったけど

ヒッチハイクにした。


テレビで見て

一度やってみてーって

思ってたんだよ。


金もかかんねーしな。


軽い気持ちで

決断したよ。


って事で

博多から長崎まで

ヒッチハイクの旅が

始まった。


しかーし!

即効で

挫折しそうになったぜ。


全然停まってくんねーの。


諦めてバイクでも

パクろうかと思ったら

警察に見つかって

全力で逃げた。


このまま走って長崎まで…

なんて行ける訳もなく

またヒッチハイクを

再開した。


心が折れそうになった時に

やっと一台トラックが

停まってくれた。


今でも乗せてくれた人を

全員覚えてんよ。


順番に説明すっか。


①トラックの運ちゃん

(無口だった…

でもそれがまた

かっこよかった。

1時間位落語の

ラジオを聴かされた)

②子連れの美人奥さん

(双子の母親だった。

子供たちが飲んでた

ジュースを

うらやましそうに見てたら

母親がファンタを

買ってくれた。

俺はファンタよりも貴女が…

なんて言わなかったぜ(笑)

当時の俺なら言えたけどな)

③トラックの角刈り運ちゃん

(コッペパンを半分こにして

俺にくれた。

マーガリン味だった)

④坊さん

(スカウトされかかった。

俺は坊主になれても

エロ坊主ですよって

言ったら

私もですよ、なんて言うし

冗談の分かる

心の広い坊さんだった)

⑤ベンツのおじさん

(渡哲也に似てたな。

気が合ったのか

結構仲良くなった。

容赦なく入れ墨が

はみ出てたな。

事情を説明したら

一万円くれた)

⑥ワゴンのお兄さん


⑥番で事件が起きた。


最初は優しいお兄さんだった。


果物を運送する仕事を

やってるとかでよぉ、

荷台はバナナの山だった。


車内は矢沢がガンガンに

流れてるし、

矢沢好き同士話が合った。


体はゴツイし

見た目はどう見ても

チンピラさん。


シンナーのせいだろうな、

歯がスカスカに溶けてた。


ヒッチハイクやってんのか?


すげーな!


とか言ってよぉ、

俺を持ち上げんだよ。


ところが

もう少しで長崎って所で

ワゴンは方向転換した。


そんで少し走らせて

車を止めた。


止めたと思ったら

「財布置いてけ」

って言われたんだよ。


今でも忘れねー。


髪の毛を鷲掴みにされて

「金置いてけガキ」

だぜ?


こんな奴が

矢沢を聴いてる事も

許せなかった。


盛大なゲンコツゲームが

始まったよ。


ゲームが

よっぽど楽しかったのか

お兄さんは

泣く程喜んで財布とバナナを

くれたよ。


金も一気にたまったし

タクシー呼んでも

良かったけどよぉ

最後までやり遂げる事に

したんだ。


市内に入ったら

全然停まってくんなくて

バナナを食べながら

2、3キロ歩いたかな。


座って休もうかなって思って

腕を下ろそうとしたら

ボボボボー!って

音がすんだよ。


ケンメリだった。


シブすぎんだろ(笑)


古い車だ。


つっても分からねーかな。


スカイラインのことな。


ヤンキーカップルが

停まってくれた(笑)


ヒッチハイクで

来たって言ったらよぉ、

帰りも途中まで送るって

言ってくれたぜ。


デートの途中だったらしい。


ヤンキーカップルの

おかげで無事に

長崎駅到着。


礼を言って車を

下りようとしたら

彼氏の方に言われたんだ。


「今夜うちの集会出っか?」

ってな。


その後どうなったかは

皆の想像に任せるぜ。


だいぶ

長くなっちまった。


井口達也、

37歳になるおっさんは

この歳になって

思う事がある。


本物のワルってのは

怖いけど

弱きを助け強きを挫く。


弱いもんから

金を騙し取る詐欺とか

あんだろ?


おれおれ詐欺とかよぉ。


あんなんはワルじゃねー。


クズだ。


おれおれとか

やってる奴はよぉ

いつでも

ゲンコツゲーム

やってやっからよぉ

狛江に来いよ。


耳に入ってくるだけで

苛々すんだよ。


どうせやんなら

談合だなんだで

私腹を肥やしてる

某政治屋さんとかよぉ、

大物からかっぱらって

盲導犬の募金箱に

金突っ込めって話だな。



次は

貴方の

貴女の町に

井口達也が

行くかもしれねー。


そん時は

一緒にドライブでも

しよーぜ!


(^井^)