映画ドロップ公開中!

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井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ


「よぉ!」


白井の方から

俺達に挨拶してきた。


「ウス!」


アカシ達に混じって

俺とワン公も挨拶をした。


アカシが停めてある

バイクに並べて

バイクを停めると、

俺のヒザをまたポンと叩い た。


俺はバイクから下りて

白井達の前に

小走りで駆け寄った。


ワン公も俺に続いた。


「井口達也です。

こっちが秀樹です。

山崎秀樹。

よろしくです!」


「おー、おめーらが

アカシのツレかぁ、

よろしくたのむなー」


見た目からは

想像も出来ないほど

物腰の穏やかな人だった。


もっさん程

大きくは無いが、

ガッチリしていて

パンチパーマ、

そして咥えタバコをしている

隙間からは

二本とも折れた

前歯が見えた。


余計な事を言うなと

言われていたが、

俺はまた思った事を

そのまま聞いてしまった。


「その歯、

喧嘩で折れたんですか?」


すると

白井の脇にいた人間が反応した。


「あ!?ナメてんのかガキ!」


アカシが走り寄ってきて

俺の頭をピシャリと

平手で叩いた。


「すんませんみつるさん!」


すると白井は

俺に食ってかかった人間を

手で制止しながら笑った。


「いーんだよアカシ。

気にすんなよ」


「すんません、すんません」


アカシは平謝りだった。


俺はまた言ってから

後悔してしまった。


白井が俺に

話しかけてきた。


「これはよぉ、ボウズ、

シンナーと喧嘩だよ。

誰かさんのおかげで

ボロボロだよ。カッカッカ」


やっぱりもっさんの事を

根に持ってるんだなと思った。


「シンナー厳禁って聞いたけど…」


「ボウズ、

今はやってねーよ。

愚連隊入る時に

総長と約束したんだよ。

俺もやらねーし

誰にもやらせねー。

安心してくれよ」


「よかった」


「カッカッカ!

ボウズに心配されちゃ

俺もいよいよ終わりかぁ!?」


そう言ってまた笑った。


優しい人柄が

にじみ出てる笑顔だった。


目尻には

笑いじわが出来ていた。


「まぁそう緊張すんなって。

俺らもよぉ、

流石に小学生のボウズと

走るなんて

思ってなかったからよぉ、

逆にこっちが緊張してるよ」


そんな話をしてる時に、

バイクの排気音が聞こえた。


優しい顔だった

白井の顔が

急に険しくなった。


次回

夜桜が舞う(70)

へ続く