映画ドロップ公開中!(^井^)

井口達也

ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ



俺は笑わずには
いられなかった。

頬が赤くなった
こてっちゃんを見て、
ただ単に美咲を喜ばせる為に
貼ったわけでは
無いんだなと思った。

この辺の不良の中では
知らない人が居ない位
有名な三人が、まるで
アイドルの追っかけのように
名前を自分の物に貼って
喜んでるのが面白かったし、
この三人の純粋さには
笑うしかなかったんだ。

こてっちゃんが
照れ臭そうに言った。

「さっきは笑って悪かったな」

「自分達だけシール貼るのは
恥ずかしかったの?」

「…ああ」

「巻き込んでくれてありがと」

皮肉を込めて言ったら、
こてっちゃんは
俺にデコピンをした。

「金もねー、
あげられる物もねー、
気持ちでいくしかねーだろ」

その通りだった。

俺は自分が用意した物も
美咲が喜んでくれるか
分からなかったので、
少しだけ気が楽になった。

「部屋戻ろうぜ」

こてっちゃんと二人で
部屋に戻ると、
また五本松の喧嘩の日のように
カップヌードルが既に
用意されていた。

この日もこれでもかって言う位に
腹に入れ、アカシ達は
寝転がりながら漫画を読んだり、
バイクをいじったり、
リラックスした様子で
出発の時間を待った。

「達也、ちょっといいか」

アカシが眠そうな声で
話しかけてきた。

「何?」

「挨拶だけは大声で
徹底してくれよな」

「分かってるよ」

「ならいいんだよ」

「愚連隊の先輩達って
どんな感じなん?」

すると俺を見て
ニヤっと笑って言った。

「こえーぞー」

「あっそ」

「冗談だよ冗談。
美咲さんからも先輩達に
達也と秀樹の事はちゃんと
伝えてあるはずだからよぉ、
問題ねーよ。ただよぉ…」

「何?」





次回

夜桜が舞う(60)

へ続く