初めての方メニュー一覧からどうぞ
第23話-夜桜が舞う1話はこちらから


アカシも美咲を
びっくりさせる
つもりなんだろう。


「何か
考えでもあるん?」


「達也、秀樹、
今日はおめーらに
頑張ってもらうからよ」


「どういう事?」


アカシは
笑ったまま
教えてはくれなかった。


「作戦って?」


「作戦っつーかよぉ、
せっかくお前ら二人は
特別参加なんだからよぉ、
目立ってもらわねーとな!」


アカシは完全に
何か企んだ目をしていた。

いやな予感がした。


「秀樹、おめーは目立ちてーか?」


「目立ちてーっス!」


「達也は?」


「いや…俺はいいよ」


「あん?」


「凄んでも駄目だっつーの。
やだよ。
何かやらせる気っしょ?」


「まぁそう言うなって。まだかなぁ?」


「何が?」


「ノブオだよ」


その時だった。


バイクの音が聞こえると
アカシとこてっちゃんは
立ち上がった。


「きた!」


二人は悪戯っ子のように
目を輝かせながら玄関に走った。


そして何やら
玄関の方から
アカシの声が聞こえてきた。


「ブツは?」


「じゃじゃーん!」


「おーー!ナイス!」


その後
三人で外に出て
何やらやっているようだった。


部屋に残ったままの
俺はワン公に言った。


「何か言われてもぜってー断れよ?」


「何で?」


「いいから断れよ。
俺等ぜってー遊ばれんぞ?」


首を傾げるワン公は
何もわかっていないようだった。


部屋に戻ってくる
アカシ達の足音が、
何だか
弾んでいるように思えたのは気のせいか。


いや、

俺の予感はすぐに確信に変わった。


部屋に戻ってきたアカシは、
後ろに何かを隠し持っていた。




次回

夜桜が舞う(58)

へ続く