映画ドロップ公開中!

エンドロールの最後を
見逃すな!(^井^)

井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ


全員
俺を振り向いた。

この時始めて
石岡と目が合った。

明らかに
小学生の俺を見て、
石岡は目を丸くしていた。

そして石岡は
アカシに目をやった。

「沼田の弟?」

「ちげーよ、
こいつは達也。
俺の用心棒だよ」

「は?」

「今日俺がおめーに
やられそうになったらよぉ、
助けてくれる
予定だったんだよ」

アカシは
場を和ますのが
上手かった。

言葉を続けた。

「ま、やられる訳ねーけどな」

俺は俺で
調子に乗って
力こぶを作って見せた。

「ほんっとおめーらには参ったよ」

そう言って
石岡は笑った。

石岡はバイクを下りて
俺に歩み寄って来た。

目の前まで来ると
さすがに
圧倒されそうな
威圧感を感じた。

「達也って言うんだな。
今日はもう勘弁してくれよ」

そう言ってまた笑った。

石岡に段々
人間味を感じるようになってきた。

「アカシと何て約束したの?」

すると石岡は振り向いて
アカシを見た。

アカシが頷くと
石岡はまた
俺を見て言った。


「明日は集会楽しんでくれよ」

俺は思わず
アカシを見た。

するとアカシは
また頷いた。

「それとよぉ、
また沼田を
貸してもらうからよ。
よろしくな達也」

「どういう意味?」

「決着ついてねーだろ?」

「そっか…」

どうやらアカシと
また喧嘩する
約束をしたようだった。
集会には
手を出さない事も。

石岡はアカシから
受け取ったタバコを
もう一吸いすると、
自分の家がある
空き地の方へ
歩き出した。

アカシが声をかけた。

「石岡!またな!」

石岡は振り向かずに手を上げた。

次回

夜桜が舞う(52)

へ続く