映画ドロップ公開中!

観た人は何度も観て、
観てない人は絶対に観てくれぃ!

井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ


「アカシ!急ごうぜ!」


こてっちゃんは

もう石岡を

肩に担いでいた。


「よし」


皆はそれぞれの

バイクに跨り、

石岡は

こてっちゃんに

おんぶされた格好で

後ろに乗せられた。


「達也ぁ!急げ!」


「分かった!」


アカシの声で

俺とワン公も走り出した。


俺達は

アカシ達のバイクが

走り出す音を聞きながら

またフェンスを越えて

集合場所に向かった。


この要塞のような

不気味な工場に

飲み込まれたのは、

アカシでも俺でもなく、

石岡と菊田だったのかもしれない。


走りながら

ワン公が話しかけてきた。


「何であの石岡ってやつ

助けるんだ?」


「知るかよ」


アカシに会ったら

聞きたい事だらけだった。


何故石岡を

助けたのか。


石岡に何と

耳打ちされたか。


そして、

これで明日は

集会に喧嘩を売ってくる事は

無くなったのか。


いや、

もう最後の質問は

どうでもよくなっていた。


今日の喧嘩を見て、

俺は来るなら

何でも来やがれと

思い始めていた。


待ち合わせ場所には

もうアカシ達が着いていた。


「よし!達也乗れ!

秀樹はノブオの後ろ!

急げ!」


石岡に目をやると

まだ意識が

朦朧としているようだった。


バイクはサイレンから

離れるように

静かに闇に向かって

走り出した。


話しかけられる

状態ではなかった。


暫くバイクを走らせて、

アカシは人気の無い

空き地を見つけると

静かにバイクを止めた。


アカシは

バイクを下りて、

後ろに居る

こてっちゃんのバイクに

歩み寄った。


アカシを追う様に振り向くと、

こてっちゃんに

身を預けながらも

石岡は目を開いていた。


次回

夜桜が舞う(50)

へ続く