映画ドロップ公開中!

エンドロールの最後を
見逃すな!(^井^)

井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ


三人は取り囲まれて

袋叩きにされている

石岡と水沢を

かばうように

間に割って入った。


タバコを足で

揉み消しながら

アカシが菊田に言った。


「俺の喧嘩の邪魔すんじゃねー」


「なんだてめぇ?

死にぞこないが」


そう言って菊田は

アカシに殴りかかった。


アカシと菊田の体が

交錯した

次の瞬間には

菊田は地面に

両膝をついた。


アカシの拳が

菊田の腹に

めり込んでいた。


そしてアカシは

咳き込みながら吐く

菊田の顔面を

蹴り上げた。



そこからは

両軍入り混じっての

大乱闘になった。


石岡は

自分で立つことも

出来ず、

こてっちゃんが

後ろに引きずって
避難させた。



もはやこの喧嘩を

止められる人間は

誰もいなくなった。


この喧嘩を止めたのは

アカシでも

石岡でもなく、

パトカーのサイレンだった。


誰かが叫んだ。


「逃げろ!」


蜂の巣を突付いたように

その場は混乱した。


そして皆

急いでバイクに跨った。


馬乗りになって

菊田を殴り続けるアカシを

ノブオが後ろから

羽交い絞めにして

引き離した。


菊田は倒れたままだった。



「アカシ!逃げんぞ!」


ノブオがアカシに言った。


敵は

石岡と倒れた菊田、

そして水沢を残して

逃げてしまっていた。



「水沢だっけ?

お前、こいつ連れてけよ」


アカシが

菊田の胸ぐらを

掴んで持ち上げた。


水沢は

一瞬ためらったが、

アカシの目を見て

黙ってうなずいた。


水沢は菊田に

肩を貸して

自分のバイクの

後部座席に乗せた。



「沼田、すまねぇ…。

石岡を頼んでいいか…」


「分かってるよ。

いいから早く行け!」


水沢は

後ろ髪を引かれる思いだったと思う。


アカシに

会釈をして

バイクを走らせた。


次回

夜桜が舞う(49)

へ続く