映画ドロップ公開中!

エンドロールの最後を
見逃すな!(^井^)

井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ



「てめぇ菊田ぁ…

殺すぞコラ」


菊田を見上げながら言う石岡。


体はボロボロでも

その覇気は

離れた俺にも

伝わってきた。


「状況見て

モノ言えよ石岡。

今のおめーは

怖くも何ともねーんだよ。
やっちまうぞコラ!?

年下なら

年下らしくしとけば

良かったんだよボケが」


石岡の覇気に

たじろぎながらも

菊田は

倒れた石岡の腹を

蹴り上げた。


どうやら菊田は

石岡を鼓舞する気持ちで

なさけねーと言った訳では

ないようだった。


石岡は力だけで

この軍団を

まとめてきた男だ。


それはアカシからも

聞いていた。


その力のバランスが

崩れたらどうなるのか。


その結果が

今俺の前で

起こっている事だった。


ごく自然な

結果だったのかもしれない。



「今日から俺が

仕切らせてもらうからよ。

石岡ぁ、

おめーは破門だよ。

消えろ」


仲間割れが始まった。


石岡と菊田側に別れて

小競り合いになった。


と言っても

石岡をかばうのは

水沢という男だけだった。



敵陣が揉めてる間に、

気づいたら

アカシはその場に

あぐらをかいて座っていた。


仲間割れを

じっと見つめながら

座っていた。


こてっちゃんとノブオが

アカシに近づいて、

アカシの両脇に

しゃがんだ。


こてっちゃんは

タバコを取り出して

アカシに咥えさせた。


そしてノブオは

自分が吸っている

タバコの先を

アカシの

タバコの先に押し当てて、

火種にしてあげた。



敵陣と対照的な絵だった。



アカシが

こてっちゃんとノブオの

肩を借りて

立ち上がった。


するとふらつく足で

ゆっくり敵陣に

近づいていった。


こてっちゃんとノブオは

顔を見合わせて

苦笑いをした。


そして

アカシの後ろに続いた。



次回

夜桜が舞う(48)

へ続く