映画ドロップ公開中!

エンドロールの最後を
見逃すな!(^井^)

井口達也ブログCHICKEN~ドロップ・ゼロ~-映画ドロップ


「石岡よぉ、
なさけねーなぁおい。
手ぇ貸してやろうかぁ?」

敵の一人が
大声を出すと、
他の奴がそいつに
食って掛かった。

「菊田コラぁ!
てめー何ぬかしてんだ!?」

どうやら
水を差した男は
菊田という奴らしい。

「水沢ぁ、俺はよぉ、
石岡にはもう
ついていけねーよ。
なぁ皆?」

大袈裟な口調で言いながら
ヘラヘラ笑った。

その笑いに
同調するように
徐々に周りの人間も
笑い始めた。

笑っていないのは
水沢だけだった。


すると石岡は
何かを考えるように
数秒目をつむり、
ゆっくりと目を開けた。

そしてアカシに
何やら耳打ちをした。

それを聞いた
アカシの口元は
一瞬笑ったようにも見えた。

そして石岡の頭から
手を離した。

石岡も
アカシの頭から
手を離し、
フラフラになりながらも
菊田の方に歩き出した。

支えの無くなったアカシは
その場に立ってるのが
やっとという感じだった。


菊田はバイクから下り、
ポケットに手を入れて
踏ん反り返った。

口には咥えタバコ。

自分達の
総長の前で取る
態度ではなかった。

石岡は
菊田の前まで来ると、
おもむろに
菊田のタバコを
口から抜き取り、
自分で一吸いして
そのまま手で握り消した。

「なんか…言ったか…
菊田ぁ?」

石岡の声には
力が無かった。

菊田は石岡に
目を合わせたまま
地面にツバを吐いた。

石岡は低い声で言った。

「てめぇ…」

「石岡ぁ、
おめーは調子に
ノリ過ぎなんだよ。
おめーの無茶には
もうついていけねーっ
つってんだよ」

「上等だよ」

そう言って石岡が
菊田を殴ろうとした。

ところが石岡には
もう力は残っていなかった。

菊田は
石岡が構えるより早く
殴り飛ばした。

フラフラの石岡は
かわすことも出来ずに、
弱った体に
まともに拳を受けた。

次回

夜桜が舞う(47)

へ続く