菜園をはじめてから、「道の駅」に立ち寄る頻度が増えた。
 

1泊の旅行でも毎回3箇所、4箇所をめぐる。後部座席は野菜で埋めつくされる。

温泉旅行というより「温泉付買い出し」だ。

 

近くのスーパーで並ぶものとは種類も珍しいものが多いが、何より鮮度が圧倒的に違う。野菜の顔をみてその違いがすこしわかるようになってきた。

 

きゅうりはその代表で、採りたては袋ごしでもトゲやイボの鋭いのがわかる。それにしてもこれは鋭すぎじゃねぇか、とつっこみたくもなるものが我が菜園で採れた。収穫するのも調理するのも手袋がほしい。

 

慎重にトゲをとって生で食べてみる。口の中で音がした。抜群の歯切れのよさは、普通のきゅうりとは全くちがう。うまい。このきゅうりは、いけてる!

 

その名は『シャキット』。

 

わかりやすい名前だ。食感もだが語感もいい。ところでこのシャキット、トゲが鋭すぎて扱いづらく市場には出回らないそうだ。

 

 

―ギャグが鋭すぎて市場に出回らないところが誰かといっしょだな。

 

そんな軽口が浮かんだが、五輪中継に夢中の人の耳に届くはずもない。そっと飲みこんだ。