面白い偶然もあるものだ。

ある日収穫したものが3つ、すべてゴルフボールぐらいの大きさで並んだ。なんとか3兄弟、という歌を思い出した。

 

色々育てていると、同じ種類のなかでも陽当たりや苗同士の間隔などで出来のいいものと悪いものがでてくる。出来の悪いほうは本格的な収穫のまえに採ってしまう。二軍というか前座というか、味見の意味もある。

 

それぞれ自己紹介をしてもらおう。

 

一番左は「インカの目覚め」、そう、昨年目覚めなかったあの、アンデスの栗ジャガ、といわれるジャガイモだ。今年は種イモがしっかり芽をだした状態の「苗」を園芸店で購入して、満を持して育ててきた。しかし…先々週の長雨で葉が枯れてしまった。やむなく掘り上げたら、ゴルフボールがちらほらでてきた。期待どおりとはいかなかったが、素人菜園初のジャガイモを掘りだした瞬間、心の中で小さく歓声をあげた。

 

一番右は「アーリーレッド」、赤いサラダ玉ねぎだ。昨年は「種」から挑戦してそれほど大きくならなかったが、今年はプロがつくった「苗」を50本購入して育ててきた。昨年の一軍が今年の二軍となった。さすがプロの苗は違う。

 

そして真ん中は…これもたまねぎ?、と思いきや、ニンニクだ。正確にはリーキ(ネギ)の仲間である「ジャンボニンニク」の二軍だ。イメージするニンニクと少し違うものの、ネギも玉ねぎもニンニクも同じユリ科の野菜ということで納得する。

 

赤玉ねぎは丸ごとコンソメスープに、インカの目覚めとジャンボニンニクはそのまま素揚げにして食卓に並んだ。

 

―さっき二軍だなんて言ってごめんなさい。

 

ジャンボは、普通のニンニクのような「ガツン」とくる刺激がないぶん、丸かじりで食べやすい。はっきり言って、ウマい。インカは、切り口が濃い黄色、ほくほく感が栗のようで揚げポテトとしては最高だ。レッドは、丸ごとサイズだからこそ、かぶりついた瞬間の甘さが際立っていた。

 

夕食をおえて自室にもどり、さてブログでも書くかと腰をおろす。机上には読み終えたばかりの本があった。

 

「ベンチの足」佐藤雅彦 (暮しの手帖社)

 

さきほどの食事と同じく大満足のエッセイだったが、ふと気づく。佐藤氏は、あの、なんとか三兄弟の生みの親だった。

 

面白い偶然もあるものだ。