お花とかは育てないのですか?
よく聞かれる質問だ。
何を育てているのですか、の次ぐらいに多い。
答えはいつも決まっている。
―食べられるものだけ育てています。
だがそうとも言いきれない、かもしれない。
地植えと3Fの素人菜園エリアの中間、2Fテラスには今、ミントやセージ、
ゼラニウムやカモミールなど、10種類ほどのハーブが鎮座している。
ハーブが食べ物だというイメージはない。
ある朝、窓をあけたとたん、ふわっと甘い香りがまいこんだ。
そう、ジャスミンだ。
その名のとおり、羽衣のように一気に満開となったが、
こんなに魅惑的な香りがする花だとは知らなかった。
お茶でしかイメージがなかった。皆さんはどうだろうか。
お茶といっても、ハーブティーのように葉っぱや花びらを
そのままお湯にいれて飲むのがジャスミン茶かと思いきや、
緑茶など普通のお茶に花の香りをつけたものだという。
これも意外だ。
少し離れたところからでも花の香りがわかるものとして、
秋のキンモクセイが浮かぶ。このジャスミン、モクセイ科で親戚らしい。
そもそもハーブとは何だろう。
手元にあった「おいしいハーブガイド」(主婦の友社)を開く。
人々が長い時間をかけて暮らしに役立つことを見つけた植物。
日本の薬草、中国の漢方、欧州のハーブ、
インドのアーユルヴェーダ、みんな同じだ。
なーるほど。
それでこのハーブ図鑑には、素人菜園でも育てている
ネギやワサビ、ゴボウや山椒、ショウガやニンニク、ゴーヤや柚子まで
載っているのか。
野菜とハーブには明確な区別が曖昧になっている、とある。
それならそうと、あの質問には今度こう答えよう。
―はい、香り豊かな花も育てています。
