野菜売り場でいつもの野菜が「グレードアップした名前」で並んでいるのを見かけると、つい手にとってしまう。そんな経験だれにでもあるだろう。

 

先日新じゃがを見つけてふと思った。新じゃが、新たまねぎ…。
 

―あれっほかに「新」がつくものないかな。
―そもそも何が「新」なのだろう。

 

新じゃがは、冬越し、貯蔵させずに採りたてで出回るからだそうだ。新とは「新鮮」だ。

 

新たまねぎは、通常採れる5-6月より早く3-4月のもの。新とは「早」だ。

 

そういえば新茶、新米、もあった。新茶は3回ぐらい収穫する葉の最初のもの。
新とは「最初」だ。

 

新米は今年のお米。古米じゃないということ。新とは「今年」だ。

 

―ほう、全部「新」の意味が違うのか。面白いな。

 

ではなぜ新トマトや新人参がないのだろう。初ガツオ、のように「初+野菜」も聞かない。カツオと同じく旬が2回の野菜はたくさんあるのになぜだろう。

 

うーむ、わからない。
わからないから面白い。

 

野菜グレードアップには、「新」以外に「季節」もあった。春キャベツに秋ナス。立派なブランドだ。

 

素人菜園ではまもなく2度目の春キャベツの収穫だ。

 

昨年は地植えで外葉が1mにも巨大化したが、中身は白菜のように細長く2度びっくりだった。

 

 

育てる人に似るのねと言われたので、今年はそもそもタケノコ型に育つ「みさき」という品種をこっそり選んだ。挽回したつもりだったが、ひとめ見たつれ、
 

―あれっ去年もこれだったということ?

 

返事はごまかした。

菜園家としても人としてもまだまだ新米、ということかもしれない。