僕の収穫の楽しみは、2つのパターンがある。

 

日に日に大きくなるのを見ながら、そろそろか、まだ早いかと待つ。トマトやきゅうり、ししとうなど、『果菜類』と呼ばれる。

 

土の中で育ち大きくなるため、どれぐらいの大きさかワクワクしながらとる。人参やラディッシュ、サツマイモなど、『根菜類』と呼ばれる。

 

どちらかといえば後者が好きだ。
しばしば実だけでなくドラマも隠れている。

 

ビーツを地植えで育てたとき、背丈が1m近くまで巨大化してそれとともに期待もふくらんだ。だがひっこぬいた時の脱力感は3ヶ月たった今でもすぐに思い出せる。びっくりするほど小さかった。隣にひっそり育った背丈30cmぐらいのほうが、はるかに立派な実ができた。

 

 

 

 

―これは人間社会と同じだな。

 

何かにつけて大きな口をたたき、先日の人間ドックでもあごをひかないせこい作戦で身長185cmを死守した、いつもつれに謙虚になれと諭される、見かけと中身の大きさが全然違う奴を知っている。

 

さて、先日の赤玉葱と同じく、植え付けから9ヶ月もかかってようやく収穫にこぎつけた。

 

にんにくだ。

 

これも地中に隠れた好みのタイプだ。
軽くどきどきしながら、葉を垂直にひきぬいていく。全部で6本。今度は地上の大きさに応じた玉があらわれた。

 

―そうか、お前は素直だな。

 

勝手に親近感を覚えながら、根をそぎとり、土を落として外側の薄皮を一枚むくと、きれいに真っ白だ。大地の力、「地力」を結集させた実は美しい。

 

―やっぱり根菜はいいな♪。

 

そう思って、手もとの野菜づくりの本を見たらびっくり。にんにくは『根菜』ではなくキャベツやレタスと同じ『葉菜』に分類されている。玉ねぎもだ。

 

―葉っぱを食べないのになぜ?

 

たまねぎは、茎についた葉鞘(ようしょう)が重なったもの、にんにくは、葉鞘から出た脇芽が成長したもの。

 

―へぇ~、たまねぎもにんにくも、要は葉っぱなんだ!

 

小さな素人菜園で、見かけは大きな奴が奮闘中だが、まだまだ「知力」の結集が足りないようだ。