それぞれの心の穴
あれから、父も母も
「ペットショップに行ってきたけど、イタグレはいなかったなぁ」
「今度、近所でのイベントがあるらしいぞ」
なんて話している。
もかがいなくなって、寂しいってのがもちろんあるんだろうけど
あたしに悪い事したな、なんて思ってるんだろうな。
二人共、元々口数が少なかったから
家の中でもあまり会話がなかった。
もかと暮らすようになってから
毎日家族でもかの事を話すようになった。
はじめは、室内で犬を飼うなんて絶対にダメ!!って言われていた。
ずっと借家住まいだったし、飼えないと思っていた。
だけど、どうしてもイタグレと暮らしたい!!
思い切って不動産屋さんに相談してみた。
すぐに大家さんにかけ合ってくれて
あっさり了承してもらえた…
それからしつこく両親にお願いして
やっと迎えることができた
もかは父にも母にもべったり甘えてたから
かわいかったんだろうなぁ
よくおやつやおもちゃを買ってくれてたなぁ。
そんな父が
「これ見てみ!!もかにそっくりだ!!」
と言って写メを見せてきた。
ブルーホワイトの女の子。
くつしたを履いたような足先の白も、そっくりだった。
携帯でサイトを開くなんて事
父にはできないはずなのだが…
「職場の人に探してもらったんだ!!静岡にいるみたいだ!!
電話番号も聞いたから、まだいるか聞いてみるかな!?」
ちょ、ちょ、ちょwww
落ち着け父よ。
ここは東北、福島だぞ。。
静岡て。。
「ん!? 6時間くらい走れば着くだろ!!」
…えぇぇぇ。。
そんな 写真みただけで。。
ねぇ、もか?
どう思ったかな?
みんな、もかがいなくなって
迷走j状態だよ。
どうしたらいいのか、わかんないんだよ。
あたしだって、おとうもおかぁも、こば氏もみんな。
ぽっかり空いた穴を
どう対処すればいいのか、戸惑ってるよ。
もかはなんて言うかな。
もし、子犬を迎えたら どんな顔する?
寂しいかな?
もう忘れちゃったの?って悲しむかな?
忘れないよ。
忘れるわけない。
毎日もかの事考えるよ。
寝顔かわいかったなぁ、とか
たくさんたくさん、思い出すよ。
悲しまないで。
ずぅっと、大好きだから。
また会えるもんね。
だから大丈夫。
待っててね。
それまで精一杯生きるから。