前回からの続きです。

 

 

7.マスクの常時不着用のお願い

マスクをつけることのできない理由は以下の通りです。

 

⑴  新たなチックが出現するため

 マスクが常に口の周りについていることにより、舌を出してマスクを舐める動きの新たなチックが出現し、マスクを外してもやめられなくなりました(今は収まっています)。また、舐め続けることにより、マスクがすぐに濡れてしまい、息ができないと言っています。同じ理由で、フェイスシールドもできません。必ず舐める動きが出てしまうためです。

 

⑵  マスク内で増える雑菌、カビの吸引を防ぐため

 マスク内は湿度が高くなり、雑菌やカビがすぐに増殖します。これらを取り込むことで、症状の根本的な悪化に繋がりますので、できる限り、マスクを口につけない状態で過ごす必要があります。

 

⑶  酸素レベル低下による脳神経細胞の損傷を防ぐため

 人間の脳細胞は、数分の酸欠状態で死滅し、再生しません。チック症は、脳神経異常が原因と考えられており、脳内が様々な刺激に対して脆弱です。呼吸を制限し、脳に酸素欠乏を誘発することは、医学的禁忌となります。

 

⑷低酸素による免疫異常を避けるため

 異常な免疫反応で過剰に作られた抗体が脳細胞を攻撃し、チックを引き起こす場合があると考えられています。ですので、常に最適な呼吸をすることで、免疫力を正常化しておく必要があります。

(全ての生物に言えることですが、呼吸を制限すると免疫力が下がります。)

 

 このような理由で、マスクをつけることができません。とはいえ、コロナに対する恐怖心は人それぞれで、クラスのお友達の中でも、マスクをつけていない人を受け入れられない子がいても十分理解できます。まずは、理解を求めてみて、その後問題が出た場合には、またご相談させていただければと思います。

 

 

※2年生の〇〇(下の子)も、軽度のチック症を持っています。兄が重症化した5年前から、衣食住全てにおいて、これ以上悪化しないよう細心の注意を払って、同じ生活をしているため、あまり重症化していません。上記の(1)以外の同じ理由から、発言する時以外は、本人の意思でマスクを顎に外す許可を頂きたいと思います。また、周囲のお友達にも、〇〇は外す必要があること、許可をもらっていることをお知らせして頂きたいです。マスクをしていないと、喋っていない時でも友達から何度も指摘をされ、困るということを、今の学校で経験しています。

 

 

8.弁当の持参のお願い

 チックの悪化する原因の一つとして、小麦とトウモロコシ由来の成分や食品添加物に反応して、チックの頻度が激増、また症状が進行することがわかっています。どちらも、調味料や加工食品には必ずと言ってよいほど含まれており、ほんの微量でも反応してしまいます。特に、トウモロコシは、アレルギー表示がない上に、様々な添加物がトウモロコシ由来のため、家庭でも、最大限気をつけていても口に入ってしまっています(水あめやでんぷん、加工でんぷん、デキストリン、食用食物油脂、酒精、酵素などなど)。

 また、牛乳に含まれるカゼインタンパク質が、脳に悪影響があるため、牛乳も飲んでいません。

 このような理由から、給食を食べることが出来ないため、弁当の持参を許可頂きたいです(病院にかかっていないので、アレルギー検査の結果はないです)。今の学校では、昼までに私が弁当を届けて、給食の時間まで職員室に置かせて頂くという運用をしていただいています。ご迷惑にならない方法をご相談させてください。

 

 また、授業の一環で、何かを口に入れるとき、口の周りの薬などが必要な際には、必ずご連絡、確認頂きたいです。基本的に、薬は飲まない、塗らない方向でお願いします。

 

 

9.最後に

 

 このチック症状のおかげで、ここまで親子とも、良いことも、悪いことも様々な経験をして来ました。早い段階から『普通』の枠に囚われて育てることをやめています。彼の『好きなこと、得意なこと、自信』を見失わないように大人に向かってくれればいいと考えています。 

 また、もう、すでに、普通の子の括りから出てしまっている子供ですので、『自分で考え、行動する力』をつけてほしいと思っています。『ルールだから』とか『みんながやっているから』『それが常識だから』とされている物事に対して違和感を感じるのであれば、自分なりの考えで行動し表現できるようになって欲しいと思っています。と同時に、自分と違う考えも尊重し、対立せずに共存する、または離れるということも学んで行って欲しいと考えています。

 諸々ご迷惑をおかけします、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

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