薬を飲んで一週間ほどで気分が軽くなった!と言うのは、案の定、私の希望的観測でしかなかった。
鬱の診断から3週間ほど経った頃、社会人の時から仲良くしている友人から、仲良し3人で会おうと誘われた。
三年程前、一人が結婚した時に会ったのが最後だった。
誘ってくれた友人は福岡に長らく住んでいたが、この度転勤で関東に戻って来たと言う。
久し振りに気の置けない仲間で会う事を楽しみにしていた。
ところが1週間位前から、何となく行くのが億劫な気がしてきて、日々それを打ち消しながら生活していた。
3日前からは完全に「行きたくない」と思うようになった。
前日には「無理」と呟いていた。
夫は「久し振りに気分転換になるよ。行ってくれば?まぁ、無理しなくて良いけど」と言っていたが、その言葉は私の頭の片隅を通り過ぎるだけだった。
当日、薬の効果は何処やら、完全にどん底に落ちていた。
着替える事もせず、家族の朝食を作った後は寝転んでいた。
行く気もないくせに「準備しなくちゃ」と呟いてみた。
二人もそろそろ準備を始めるに違いない、そう思った時、一分一秒でも早く連絡をする事が筋だと思い、次女が熱を出した、と嘘の断りをいれた。
そして、メンタルクリニックの先生に会いに行こうと決め、ようやく起き出した。
先生にお話しすると、「病気ではない私でも、久し振りの友人に会うのは緊張します。
今のあなたには難しい、と思った方が良いでしょう。でも気にする事はありません、また元気になれば会えるのだし、お友達には『少し体調が悪くて』と言っておけば、だからと言って離れてはいかないでしょう?もし離れていってしまったとすれば、それは本当の友達ではないのかも知れないですね。」と仰った。
最初に頂いていた頓服を飲むように言われ、帰宅した。
友人に嘘をついた事、友人に会えない自分を責めて落ち込みながら時間が過ぎていったが、数時間後には頓服が効き始めたのか、はたまた行かなくて済んだ事にホッとしたのか眠りにつき、起きた時には気持ちは落ち着いていた。