薬は「ゆっくり効く」と聞いていたが、飲み始めてから1週間もたたない内に、「死にたい」という思いだけは綺麗に無くなっていた。
薬を飲んだ安心感からか。
自分の単純さに感謝した。
メンタルクリニックでもその旨を話し、薬による体調の変化も無いと伝えると、同じ薬を同じ量、飲み続けることになった。
私は「こんなに簡単に症状が軽くなるなら、自分の鬱はすぐに治るに違いない」とウキウキしながら家路に着いた。
とは言え、その頃は友人からランチのお誘いが来ても何かと理由をつけてお断りをするか、行けそうだと判断し約束をしたとしても、前日までに段々と辛くなりキャンセルをさせてもらっていたし、お買い物も近所に行けば誰かに会ってしまうから、とわざわざ遠くに行っていた。
近所を歩く時は、誰からも声をかけられないように、イヤフォンをつけ、知り合いを見つけても歌に集中して気付かないふりをした。
誰とも話したくなかった。
特に雑談レベルの会話が苦痛でしかなかった。