私を病院に行くように仕向けたのは、彼女の意思とは関係は無いけれど、やはり次女だった。
小学校の行事の振り替えでお休みだったとある月曜日、次女の要望により、2人でディズニーランドへ行った。
ディズニーランドと言えば、私の青春時代を彩り、子供達が生まれてからも、何度となく夢の世界に心を躍らせた。
最近は長女が忙しく、次女と2人で行くことが増えたが、それでも楽しく、目をキラキラさせて夢の国にどっぷり浸かっている娘を見るのも可愛くて嬉しかった。
ところがこの日の私は何だか調子がおかしい。
乗り物もショーも心から楽しめない。
特に室内に入るアトラクションは苦痛でしかなかった。
それでも娘を1人にさせてはいけない、と頑張ってみる。
並んでいる時から落ち着かない。
ようやく順番になり乗り物に乗っても、妙な不安感が襲い、胸が苦しい。
お夕飯を済ませ、「後いくつ乗れるかなー」と疲れを物ともせずにはしゃぐ娘。
比較的空いていたシアター型のアトラクションに入る。
アトラクションを待つ間、前室のテレビでは面白可笑しくアトラクションに対する前振りをし、注意事項を伝えている。
息が出来ない、苦しい、どうしよう。
頭の中に空気や血液が届いておらず、何かで飽和状態のような感じ。
前の人達が終わり、シアターへ続く扉が開いた。
娘の為、と一緒に進む。
大勢の観客と共に椅子に座ると、ドアがバタンと閉じた。
緊張がさらに高まった。
鼓動が早くなり、息が出来ない(ような気になった)。
お兄さんが明るく説明をしている。
隣で娘はお兄さんの話に釘付けになっている。
怖い、わめき出したい、「外に出して!」と叫びたい。
とてもアトラクションを楽しむどころではない。
いや、アトラクションに集中すれば良いのかも知れない、と動く椅子から振り落とされまいと手すりに掴まり、スクリーンに見入ってみるものの、全然頭に入らず、不安ばかり募り声も出ない。
アトラクションが終わり、ようやく室内から出られる事にホッとしながら、「ごめんね、ママ疲れちゃった。もう帰ろう」娘に告げた。
娘は私の疲れた顔に気付いたのか、「良いよ」と言った。
もう、アトラクションに乗れない程、歳をとったのかも知れないなー、次に来る時は、長女も連れてこよう。
姉妹2人で乗ってもらおう。
そう思った時、
娘をディズニーランドにも連れてこられないのか、絶叫マシンに乗ろうという訳ではない、ディズニーランドのアトラクションレベルに乗れなくなっているのだ、私は。
母親失格だ、母親失格、頭の中でもう1人の私が胸に刃を突きつける。
ディズニーランドくらいで大袈裟だと今では思うが、その時は「母親失格」と落ち込み、そして、「パニック障害」、これを治したら、また子供達にとって、明るい元気なママになれるのかも知れないと思った。
きちんと病院に行って、「更年期」を少しでも快適に過ごそう、娘の手を繋ぎ、夜の空気を吸いながらそんな事を考えていた。