私は、パン教室を開催している。
その頃の私は、当然パン教室などやっている気分ではなかった。
しかし、前もってその日の予定を空けて、楽しみに来て下さる生徒さんたちにご迷惑をお掛けするわけにはいかず、なるべくきちんと準備をし、当日を迎え、なんとかその日一日をやり過ごしていた。
どうしてもどうしてもできない日もあって、そんな日はなんらかの理由をつけてお断りしてしまっていた。
ある日のお教室、その日の生徒さんは私のお友達ばかりだった。
いつもの通り、作業の合間や出来上がったパンを試食しながら、友人達のお喋りが弾む。
私も久し振りのメンバーとの時間を楽しんでいた。
私は「死について」「老後、病に倒れた際の過ごし方」などを滔々と話していたようだ。
みんなも興味があると思っていた。
友人が違う話を仕向けても、何度となく自分の話に戻していた。
すると一人の友人が「今日変だよ、どうしたの?」と私に言った。
彼女は看護師だ。
険しい顔を向けられ、ハッとする。
「死」や「老後」の話など、みんなは少し話せばもうお腹いっぱいなのだ。
私のように、日常的にそんな話が頭をぐるぐる回っているような人は、この中には居ないのだ。
やっぱり少しおかしいのかな、私。