11月2日に八王子市民球場で行われた東京都高等学校野球秋季大会準々決勝、帝京高×日大三高の観戦記です。

永年東京の高校野球を牽引し、全国制覇経験のある両校。日大三高は小倉監督、帝京高は前田監督と名将とうたわれた監督から代替わりをしていますが、三木監督のもと今年の夏の選手権で準優勝を果たした日大三高に対し、帝京はあと一歩甲子園に届かない状況が続いています。夏の準優勝メンバーの残る日大三高を降して勢いをつけて久しぶりの甲子園につなげられるでしょうか?

 

<スタメン>

【先攻:日大三高】

①ライト 森山

②センター 福井

③キャッチャー 田中

④ファースト 宇田津

⑤サード 松下

⑥レフト 増山

⑦セカンド 大鳥

⑧ショート 高道

⑨ピッチャー 根本

【後攻:帝京高】

①ライト 島末

②セカンド 島田

③ファースト 安藤

④センター 目代

⑤ショート 木村

⑥レフト 蔦原

⑦サード 池田

⑧キャッチャー 鈴木

⑨ピッチャー 仁禮

<試合概況>

先制したのは帝京。2回裏先頭の池田がヒットで出塁すると、8番鈴木がきっちり犠打を決め得点圏へ。このチャンスに9番の仁禮が左中間を破る適時三塁打を放ち、自らのバットで先制点を奪います。

その後両先発投手の好投で試合は中盤へ。

次の1点を奪ったのは帝京。5回裏3番の安藤がヒットで出塁すると、5番木村の打球はレフトへの飛球になりますが、日大三高レフトが太陽が目に入ったか打球を見失い二塁打となり帝京が大きな追加点を奪います。

反撃したい日大三は7回表、4番宇田津、5番松下の連打で無死1・2塁のチャンスを作ります。6番増山は強攻策でレフトフライに倒れた後、7番大鳥が犠打を試みますが、小フライに。この打球を帝京のキャッチャー鈴木が飛びついて好捕。さらに素早く1塁に送球し、飛び出していた走者を刺し併殺を完成。ピンチを切り抜けます。

すると8回裏、その鈴木がレフトオーバーの適時二塁打を放ち、大きな3点目を奪います。

最終回日大三は、ヒットと四球で無死1・2塁のチャンスを作り、4番宇田津の打球はレフトへの大きな飛球になりますが、フェンス手前でレフトのグラブに収まり1死。5番松下の打球も1塁線を襲う強い打球でしたが、帝京ファーストの安藤が落ち着いて処理し2死。途中出場の川中の打球も三遊間をライナーで襲いますが、帝京ショート木村が横っ飛びでダイレクトキャッチし試合終了。帝京が最終回も好守が続き3-0で強敵日大三を降し準決勝進出を決めました。

<注目選手など雑感>

帝京が強敵日大三相手に守り勝ったという印象の試合になりました。

勝利の原動力になったのは凸凹バッテリーの活躍。

先発の187㎝の長身左腕2年生の仁禮は9回を投げ切り完封勝利。自らのバットで先制打も叩き出し投打で勝利に貢献。

ぱっと見、どんな剛球を投げるんだろうと思わせる雰囲気ですが、その実は超軟投派。ストレートは120キロ台ですが、独特なテイクバックに長い腕から繰り出されるボールは相手にとってはタイミングを外される形になり、14個のフライアウトを稼ぎました。コントロールも安定しており与四死球も2にまとめました。

その仁禮をリードしたのが1年生捕手の鈴木。168㎝と小柄な捕手ですが仁禮をリードし、なんといっても7回表の守備でのビッグプレーが光りました。

打っても3安打1打点1犠打と勝利に大きく貢献。身長差約20㎝、ぱっと見は水島新司先生の「男どアホウ甲子園」の藤村甲子園と岩風五郎(豆タン)の雰囲気なんですけどねぇ(笑)(「行くでぇ~豆タン!」「はいな、あんさん!」って古っ!)

打線も3番の安藤がマルチヒットをマークするなど力があり、今度こそ久々の甲子園となるでしょうか?

敗れた日大三は新チームの始動が遅れる中、順調にベスト8まで勝ち上がってきましたが、仁禮の軟投の前に肩透かしを食らった感じです。夏の甲子園で2本の本塁打を放った田中をキャッチャーに据える(本職らしいですが)などまだまだチームとしての完成度としてはこれからといった印象です。

この試合3番の田中は不発でしたが、5番に座った1年生の松下がマルチヒットをマーク、4番の宇田津も最終回にあと少しで同点3ランという大飛球を飛ばしており、伝統の強力打線の資質は十分にありそうです。

毎年夏にはしっかり仕上げてくるチームですので、冬の鍛錬でチーム力をあげて夏の甲子園に忘れ物としてしまった全国制覇を狙ってほしいですね。

 

日大三高000000000=0

帝京高 01001001X=3

(日)根本、山口-田中

(帝)仁禮-鈴木

【勝利投手】仁禮

【敗戦投手】根本

【三塁打】

(帝)仁禮

【二塁打】

(日)松下

(帝)安藤、木村、鈴木