芋棒(いもぼう)煮 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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芋棒煮 (いもぼうに 海老芋と棒鱈を炊き合わせた京都の伝統料理) 

わさびやの御節重ねでお馴染みの芋棒煮は 江戸時代中期に草案されたと伝承されています 九州地方で栽培されていた唐芋(海老芋)を京都に持帰り北前船で運ばれてきた棒鱈と書け合せたいわば“北と南の出会い” 倹約を旨とする京都の商人達が正月など特別な機会のみ食したハレの料理です 

 
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棒鱈/干鱈 (ぼうだら/ひだら マダラを乾燥させたもの) 

日持ちしないマダラを天日乾燥したもの 日本に古くから流通する保存食の代表格です 
 
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戻し方/下処理は以前ここでも詳細お伝えしました 近年は戻してかつ切り出した状態で売られる棒鱈をよく見かけますが 個人的におすすめしません 戻し過ぎで棒鱈の風味/旨味が抜けてしまうリスクが高く 美味しい芋棒を目指すには手間ですが干鱈の入手が最善です 

 
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海老芋/唐芋 (えびいも/からのいも 京野菜の一つで上方では京芋と呼ばれる根菜) 

一般的なサトイモとは違い粘り気に富み よく締まった粉質の肉質.優れた風味と少しの甘みが特徴で 加熱しても煮崩れせず色も変化しない点が料理屋で重宝されています 写真の京芋で1つ1,000円(笑) 
 
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処理した棒鱈と京芋を抱き合わせて約3時間焚き上げるのですが 綺麗に仕上げる為に多くの細かい工夫が必要で 現在の関西でもこの芋棒煮を提供している店は殆ど見る事が無くなりました 

 

日本料理の伝統文化は継承されてゆくもの 実は数年掛けてレシピ化に挑戦しています 

 
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長い御節重ねの仕込みの中でもヤマ場の箇所 毎年緊張しながら仕事しています 

 
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御節以外にも 大変お世話になったお客様へ お歳暮の意味を兼ねて別誂します 
 

毎年「美味しかった」とお声掛け頂く方々に より美味しい芋棒煮を提供すべく精進します!